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003 初戦闘 VSブラッドバット

 俺達は【初級ダンジョン】へと足を踏み入れていた。


 ミズタマは俺の肩の上で、ぷるぷると体を揺らしている。


 洞窟の中は、ひんやりとしていて薄暗い。

 魔力結晶がぼんやりと壁を照らしている。


「ロキさん、このダンジョン、どんな魔物が出るか知ってますか?」


「ああ。確か、最初は……」


 俺が言いかけた、その時だった。


「キシャアアア!」


 洞窟の奥から甲高い鳴き声が聞こえてきた。

 そして、闇の中から二つの赤い光が、こちらに向かってくる。


「コウモリ……!」


 アリアが小さく悲鳴を上げた。

 現れたのは、巨大なコウモリ――ブラッドバット二匹だった。


 ブラッドバットは【始まりの洞窟】に最初に出現する魔物だ。


「こいつらの攻撃は二パターンだ。突進吸血と超音波」


 突進吸血は物理攻撃、超音波は特殊攻撃だ。


「ミズタマが突進吸血を受けろ。超音波はアリアが受ける」


「わ、わかりました!」


 ミズタマは俺の肩から降りた。


 ブラッドバットが鋭い牙を剥き出しにして、襲いかかってきた。

 一匹が俺に、もう一匹がアリアに狙いを定めている。


「キシャアアア!」


 まず、俺を狙っていた個体が吸血攻撃を仕掛けてきた。

 だが、ミズタマが高い防御力で攻撃を受け止める。


 まったく効いていない。

 ミズタマは平気そうだ。


 続いて、もう一匹のブラッドバットがアリアに超音波を放った。

 耳をつんざくような高周波が、洞窟内に響き渡る。


 しかし、アリアは平然としていた。

 異常なまでに高い特殊防御が、超音波のダメージを完全に無効化しているのだ。


 しばらく、ブラッドバットの攻撃を受け流す。


「そろそろ攻撃しますか? 私、攻撃魔法はファイアくらいならできます」


「いや、何もしないで良い」


 アリアの攻撃魔法は威力が弱い。

 詠唱している隙に攻撃を喰らいかねない。


 ブラッドバットの攻撃が止まる瞬間がある。

 俺はそれを見て、ミズタマに指示を出した。


「ミズタマ、毒液だ!」


 俺の指示に、ミズタマが反応した。

 小さな体から紫色の液体を噴射する。

 毒液はブラッドバットの体に命中した。


 毒液は、それ自体にダメージはない。

 ただ、必中で、相手をどく状態にすることができるのだった。


 ブラッドバットの体が、紫色に変色していく。

 毒状態になった証拠だ。


「キシャアア……!」


 ブラッドバットは、苦しそうに鳴き声を上げた。

 毒は毎ターン相手のHPを削っていく。


 このまま、ミズタマに攻撃を耐えさせ、アリアに特殊攻撃を受けさせ、毒でじわじわとダメージを与えつづける。

 これが、INFERNO序盤、最も安全な戦法だった。


 ……少し時間はかかるけどな。


 やがて、ブラッドバット二体を瀕死状態にする。


「アリア、ブラッドバットを殴れ」


「え?」


「良いから」


 アリアはよくわかっていないが、俺の指示に従った。

 持っていた杖で、ぽこっと殴る。

 HPがほとんどなくなっていたようで、ブラッドバットは倒れた。

 粒子となって、消え去っていく……。


「なんだか、手柄を横取りしたみたいな気分です……」


 アリアは複雑そうな表情をしていた。


 実は、ブラッドバットなどの雑魚モンスターを倒すと、微かに努力値というものが溜まっていく。

 ブラッドバットを狩ることで、特殊防御がさらに上昇するのだ。

 だから、俺はアリアの特殊防御をさらに伸ばすことにしていた。


 ひとまず、これで最初の一歩はクリアだ。


 俺とアリアは迷宮を進んでいった。

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