第五話
あけおめことよろです!!
良い一年になりますように☆。.:*・゜
「はぁぁっ・・・」
「皇太子殿下、大丈夫ですか」
「大丈夫なわけないだろ!」
「そうですよね。お相手の記憶が無いなんて、悲しいですよね」
「そっちだけど・・・。上手く魔力制御ができないのがもどかしいんだ。これじゃあ、アカデミーなんて行けないし・・・」
「年下の想い人は特別試験に合格されたそうですもんね。」
「はっきり言うなよ!悲しい!」
「これは失礼しました」
「もう、これだからザカリーは・・・。」
僕は、ロマーノ・オルガナ。
オルガナ帝国の皇太子であり、前世までは莫大な魔力を容易く扱っていた、元悪霊。
前世で、愛するフィオナに浄化魔法をかけて貰ったことで人間になった、人間初心者でもある。
しかし、前世で魔力を全て失ったのもあり、魔力の制御が上手くできず、手こずっている。
「そういえば殿下、夜会が開かれるそうですよ。参加してみてはいかがですか?」
「フィオナがいるかもしれないな!」
「ええ。それに、もし殿下が試験に受からなかったとしたら、夜会しかアプローチする機会がありませんから慣れないとですね」
「とにかく、あと3日間頑張るから、変なこと言わないで!」
「はいはい。わかりました」
「なんだ、その子供の世話をしているかのような返事は!」
「すみません、皇太子殿下」
「はあ・・・」
側近・ザカリーに何度目か分からないため息をつきながら、3日後の試験に向けて勉強を進めるのであった。