表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/26

第二十二話

長くなった・・・

あれから暫くあと。


リリアン様にも協力してもらって計画を立て、今日は・・・悪霊の王と決着をつける日。



「ロマーノ様、皇女様、入ってもよろしいでしょうか」


「ああ」



ロマーノとアメリア様が居る、公爵邸の応接室へ向かうと、ロマーノは騎士団のような服装をしていた。



「その服装もかっこいいですね」


「ありがとう。フィオナも、似合ってる」


「ありがとうございます」


私も、今日のために・・・と、仕立てた女性用の騎士服に身を包んだ。



「悪霊の世界への行き方はわかるの?」


「はい。何回か行ったことがあるので、迷子になることはないと思います。」


「・・・私も連れて行ってくれない?火の魔力で援護するわ!!」


「皇女様まで危険に晒す訳にはいきませんから・・・」


(火の魔力は魅力的だけど、皇女様までお連れする訳にはいかない。)


「えぇ〜っ。・・・じゃあ、これあげる」



どうしても行きたい、とギリギリまで頼み込んできたアメリア様が、赤やピンク、オレンジ色の宝石が埋め込まれたネックレスを渡してくれる。



「・・・これは、火の魔力が使えるネックレスですか?」


「正解。祈れば粉々になるまで使えるわ。」


「・・・素敵なネックレス、ありがとうございます。使うことがないことを祈ります」


「うん!・・・ロマーノ、ちゃんとフィオナを守ってよね?」


「はい、お姉様。」



微笑ましい姉弟のやり取りを見たあと、数日前のように悪霊の世界の入口を召喚する。


中に入ろうとすると、ロマーノが手を差し出してくる。


一呼吸した後、一歩前へ踏み出した・・・・









前とは違って、荒廃した地に召喚された。



「あれ?王城はどこに・・・」


「きっと、目隠しの魔法を使ってる。魔法を解けば出てくると思う」


(目隠しの魔法・・・。聞いた事はあるけど、実際に使われるだなんて・・・。)


「とりあえず、どこが根元か確認しますね」


「ああ。」



魔力を周囲に流すと、魔力が跳ね返ってくる場所を見つけた。



(ここを壊せばいいのかな?)


「では、偉大なるロマーノ皇太子殿下。ここを壊していただけると助かります」


「・・・煽てればやると思ったの?・・・まあ、フィオナだからやるけど」


「魔力は体力ほどすぐに回復しないので。」


「確かに。・・・ここか?」


「はい。お願いします」



鞘から剣を抜き取ったロマーノは、結界に剣を勢いよく刺す。



「・・・やはり、魔法でないと壊せないか?」


「あっ、結界が歪み始めました。危ないので下がってください」


「フィオナこそ後ろに下がって。俺がなんとかするから」


「いいえ。・・・守護結界があるので、そこに入ってください」


「わかった」


(あっ、簡単に言っちゃったけど、結界の範囲って狭いんだった・・・。)


「・・・これで入ってるか?」


「いいえ。もう少し近づかないと・・・」


「・・・ああ。」


(やばい、距離が近すぎる・・・!!)



守護結界の弱点。

それは、誰かを結界内に入れるなら、かなり距離を詰めないといけない、ということ。



(下手に動いたら触っちゃう・・・)


「どうした、フィオナ。」


「な、なんでもないです!」


「・・・照れてるのか?」


(なんでこんな時に勘が働くのよ、より恥ずかしいじゃない!)


「・・・ほら、これでいいだろ」



ロマーノに抱き寄せられ、抱きしめられている状態になった。



「ど、どこがいいんですか!まだ婚約もしていないのに・・・」


「でも、そのうち結婚するだろう?だから早くなっただけだ」


「っ・・・!」


(恥ずかしいっ!早く結界壊れて・・・!)


「恥ずかしがってるフィオナも可愛い」


「そ、そんなこと・・・!ちょ、何するんですか!」



抱きしめられただけで恥ずかしくて死にそうなのに、額にキスまで落とされる。



「・・・嫌だった?」


「い、嫌な訳ではありませんが・・・」



(子犬のような顔をして上目遣いで訴えるだなんて、どこで学んだのよ・・・)



「なら良かった。じゃあ、もっとキスしてもいい?」


「そういう問題ではありません!・・・あっ、結界が壊れてます!」


「・・・本当だ」


(よし、気を逸らすのは成功!あとは逃げるだけ・・・)


「おっと、可愛いフィオナちゃんは何を逃げようとしているのかな?離さないよ」


「でも、行かないと・・・」


「ちょっと待ってよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ