第十九話
次のお話は活動報告でいつ出るか紹介します
「えっ・・・?!」
「あ、フィオナ」
全てを知っている 専属メイドのカナ 以外にばれないように寝室に戻ってきたんだけど・・・
(なんで淑女の寝室にいるの?婚約者ならまだしも、今はまだ他人なのに。)
「・・・なぜ寝室にいるのでしょう?マナーを学び直した方がいいと思いますよ?」
「違うんだ!これには訳が・・・」
「ところで・・・殿下に付いている血は、誰のものですか?」
「・・・。」
寝室の前には、信頼出来る騎士数名とカナを立たせておいた。
部屋が荒らされていないから、急襲の暗殺者を倒したときの血ではない。
つまり、カナたちに危害を加えて部屋に侵入した、という訳だ。
「もう一度聞きます。なぜ人の寝室に、血を付けて入っているんですか?」
「・・・・・・」
「・・・皇室へ連絡させていただきますね」
「ち、違うっ!フィオナ、話を聞いて・・・」
「皇̀太̀子̀殿̀下̀」
「っ・・・!!」
(はるか昔・・・王太子に向けた、こんな冷たい視線をロマーノに向ける日が来るだなんて。)
ロマーノの顔が青ざめ、縮こまる。
「皇太子殿下、お引き取りください」
「すまなかった」
「・・・何がですか?」
「騎士たちに害を加えたこと」
「私が簡単な言葉など信じないことは、よくご存知ですよね?」
「・・・。」
「とにかくお帰りください。私の誤解だったとしても、今は冷静な判断ができません。」
「・・・」
しばらく沈黙が続いたあと、耐えられなくなったのか、ロマーノは気まずそうに帰っていった。
「はぁ・・・。」
ロマーノが帰ったことを確認したあと、カナたちの様子を確認すべく、部屋の外へ出るが、別の騎士とメイドが立っていた。
「ねえ、カナたちはどこ?」
「医務室へ運ばれました」
「ありがとう」
ロマーノの服や顔に付いていた血は4人分にしては多かった。
瀕死の人間を聖女の力で救うことはできても、蘇生することはできない。
ロマーノと口論していた時間などを考えると、傷を負ってから時間が経っているはず。
歩く時間も惜しいため、転移の魔法で医務室へ急ぐ・・・
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