第十四話
「あぁ〜っ、疲れた〜」
「お疲れ様です、アメリア様」
「フィオナは疲れないの?」
「今回はそこまで魔力を使ってないですから。」
「すごいわ・・・。それにしても、ロマーノのやつ、大胆に出たわね」
「・・・ええ。」
ロマーノたちに保護?された後、馬車で公爵邸へ送ってもらうことになった。
ロマーノも乗りたそうにしていたけど、アメリア様があしらってくれた。
「フィオナも、そのうちぼろが出そうじゃない?」
「誤魔化せば大丈夫だと思います。」
「確かに、フィオナの言うことなら素直に従いそう。あいつが告白するまで婚約者にならないように裏で手を回しておくから安心して。」
「ありがとうございます!」
婚約者として皇家に縛られて、行動の制限がかからないように対策しようと思っていたけれど、その心配はなかったようだ。
「そこで喜ぶのも可愛いわ・・・」
「そうですか?」
「ええ。一目見た時から、私が好きなタイプの人だと思ったの。あと、気品が漂っていたわ。」
「それなら良かったです。マナーだけは学び直しましたから」
「フィオナはすごいのに、復習する必要なかったんじゃない?」
「そんなことないですよ。最初の人生は嫌われていて、まともなマナーを習えませんでしたし。」
「王家に逆らうのは勇気と武力と味方と金が必要でしょ?王家の見張りが強くて行動を起こせなかっただけじゃない?」
「・・・それならいいですが。」
「だって、王もそれを傍観していたんでしょ?なら絶対そう。もっと自分に自信を持って。フィオナって変なところで自信がないよね。」
アメリア様が励ましてくれて、少し、過去の古傷が治った気がした。
「・・・ありがとうございます、アメリア様」
「っ・・・!!」
「どうしましたか?」
「・・・フィオナ、今の笑いは男の前でしちゃダメよ?みんなあなたに惚れちゃう」
「えっ・・・?わ、わかりました?」
「うん、気をつけて。」
よく分からない会話をしながら、やっぱりアメリア様に出会えて良かったと思うフィオナであった。