第十三話
「フィオナ、本当に行くの・・・?」
「ええ。魔物を倒して経験値を上げましょう!」
「だからといって、魔物の洞窟に行くのは・・・」
「いい経験になりますよ。どうしても嫌でしたら、アメリア様はここでお待ちください」
「・・・わかった、行くわ。」
魔物を倒しに魔物の住処にやってきた。
平常時の魔力量を上げるにも、定期的に魔力を消費しないといけない。
「うわぁ・・・怖い・・・」
「そんなことないですよ。不意打ちも結界が防いでくれますから、安心してください」
「頼れるわ・・・」
奥に進んでいくと、魔物の影が見える。
「アメリア様、私が魔物の魂を浄化して体から解放しますので、その殻を火属性の魔法で燃やしてくれますか?」
「・・・どうしてそこまでするの?」
「魔物であっても、生き物です。苦しんだ分、最期ぐらいは優しくしてあげたいと思いまして。」
「・・・さすが聖女様。私の魔力属性を知ってるのは意外だけど、協力するわ。」
「ありがとうございます。・・・では、いきましょう」
小一時間ほどかけ、全ての魔物の浄化を完了し、洞窟から出てくると、外にたくさんの人が。
「フィオナ・・・これはどういう状況・・・?」
「きっと、護衛達が追いかけてきたのだと思いますよ。」
「そう・・・?」
人だかりの方へ歩いていくと、見覚えのある金髪がこちらに走ってくる。
「姉上!公女!良かった・・・」
「ロマーノ、どうしたの?」
「二人が洞窟に入ったと聞いて心配で・・・。」
「私たちは無事よ。それに、フィオナが守ってくれたし、魔物を”浄化”しただけだから」
「”浄化”ですか・・・?公女、具体的にどんなことをしたんだ?」
「魔物の魂を浄化して、空になった肉体をアメリア様に燃やして頂いただけです。・・・なにか問題がありましたか?」
「・・・いいや、特に。ただ、フィオナらしいなと思っただけだ。」
「・・・ありがとうございます?」
ロマーノ・・・惚気・・・。