表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/26

第十一話

私の後ろ・・・正確には真後すぐ近くに立っていたのは、



「挨拶が遅れました。皇̀太̀子̀殿̀下̀、お会いできて光栄です。私は・・・」


「ベラティア公女。これから同級生としてよろしく」


(皇太子ロマーノめ・・・!)


「・・・ええ、こちらこそ。私も昨日編入したばかりで、何も知らないに等しいですが、 公̀爵̀令̀嬢̀と̀し̀て̀サポートさせて頂きます」


「・・・ああ。頼んだ」



なんでロマーノいるのよ~っ!!

だって、入学は来年度の予定だったんでしょ!

それなのにどうして・・・。



「ああ、どうやら僕の席はここのようだ」



と、ロマーノが私の前の席を指さす。


(ははっ、なんでこんなに席近いんだろ。関わりたくないのに、なんで・・・)



「・・・よろしくお願いします」


「・・・嫌か?」



上目遣いをして捨てられた子犬の様な顔をしたロマーノに呆れる。



「・・・皇太子殿下と席が近いだなんて、身に余る光栄です」


「ちょっとロマーノ、ずるいわ!私がフィオナの近くに座りたいわ!交換してくれるよね?」


(ア、アメリア様!なんて助かる・・・!)


「・・・はい、姉上。」


(あっさり席を譲った。弱みでも握られてる?)


「アメリア様、ありがとうございます。助かりました」


「気にしなくていいわ。脅してあるから、困ったら言ってね」


「あ、ありがとうございます・・・」


やっぱり。どうやって脅したのか気になるわね。






「おかえりなさいませ、フィオナ様。」


「明日の準備はいつからするの?」


「明日のお昼頃からです。皇族主催なので、気合いを入れないとですね」


「そんなに派手にしなくていいわ。変なのに絡まれるのも嫌だし。」


「かしこまりました。ですが、明日はフィオナ様が聖女であることを公表する夜会です。目立つのは必然だと思いますが。」


「・・・そうだった。じゃあ、派手すぎず地味すぎず、落ち着いた雰囲気でお願いしていい?」


「はい。」



すっかり忘れていたが、明日の夜会は、私が聖女であることを公表するための夜会だ。


目立ちたくないなと思ったけど、仕方ない。

お父様が鋭い視線で一掃してくれるだろう。




世間を甘く見ていた私を恨めしく思うのは、しばらくあと。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ