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時たちの夜の訪れ
永遠を手に入れた人がいました。もちろん永遠です。ずット変わらないことを手に入れたのです。彼は変わり続けることで永遠に鳴りました。
暗い森の中に迷い込んだあなたはこの森から抜け出ることは出来ません。あなたの歩みは退屈なくらい泥になったくらいに遅く、何処へだって向けません。行くこともできない、見ることもできない。
でも願うことは出来ます。頭のなかはまだ沈んでいませんでした。ゆくゆくはそうなるとしても今は違いました。あなたは上を見上げました。重い瞼をなんとか開けて、木の葉に覆われた空を見上げます。その中にほんの僅かな隙間が風によって開きました。そこに星の光が透過し、あなたの目の奥に落ちていきました。あなたは気付けばこの暗い森を抜けていました。青い草木が風に吹かれ、あなたの頬を冷たさが撫でました。地平線に暗い山々の稜線が見え、雲がのんびりと泳いでゆきます。
ここは夢の中、誰もが暗い森から抜け出たことは有りません。しかし暗い森の外になにも無いのではなく、確かに誰もが目指す光が有りました。