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アブラプトダイ


 深い海の底、主星の光が透過しない闇の中。海底が震えました。すると一瞬で光が差しました。どんどん明るくなっていきます。しかしまた暗闇の中に戻っていきました。しかしまたもや一瞬の間に光が見えてきました。今度はずっと明るくなっていきます。ずっとずっと明るくなって、主星の光に包まれんばかりの明るさです。惑星の最外殻、この星で何処よりも煌びやかで豊かで羨むことすらできない光の中。なにも見ることなど出来ません。どんな光だってもう見ることは出来ません。眩しいことなんて誰も知りません。

 春風が吹きました。そう並んだのです。どこにも風は吹きません。全て吹き終わったのです。明かりもまた無くなって、照らしおわりました。

 暗闇も光の中もどこにもありませんでした。海底に光などが差したことを誰もそうだと言わなくなったからです。海の音は緩やかな波の音になり、最期には震え終わりました。どこにも海などありません。海の底にはなにも残りませんでした。なにも海の底に落ちてくれないのです。全てが闇の中に溶けてきえてしまいます。少しだけ変わってもあるべき姿に戻ってしまうのです。

 闇は光が無いので、消えてしまいました。差すものも差されるものも消えて、残ったものは全てが有りはしないことが永遠に残りました。なにも残らなかったということでしょうか。

 誰も教えてくれません。どこにも声が聞こえなくなりました。明るい……明るい………明るい…………

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