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ボイスリアクト  作者: 夕村 奥
第四章
44/46

不思議

きっと何かがかなうかもしれない。俺はこのままボイスリアクターになれるのか。俺はいまだにボイスリアクトを使いこなせておらず、才能のある人ならばすぐに使いこなし多大な恩恵をもたらしただろう。だが俺はこの旅がいつか俺の夢をかなえるいい経験になったりきっかけになったりすると信じている。彩子はこんな俺をどう思っているのだろう。この世界に来て初期は俺とたくさん話してくれたな。彩子と話す機会は今、少なくなっている。仲間も増え、旅も過酷になっていき、少しずつ口数が減っている気がする。だが俺はこの世界に何かしらいい影響を与えてくれると強く思っている。俺はなぜここまで世界にこだわっているだろう。それはいまだによくわからないが、この世界の役に立って彩子に喜んでもらいたい。それに世界中の人々に幸せになってほしい。だがこのボイスリアクトは良い側面と負の側面があると思っている。いいことをしたはずなのに悪いことが起きる場合もある。例えば俺が目の前の人を救っても、世界のどこかでモンスターが出現することだってあるらしい。しかし俺はそのことを信じられないし、そのようなことはしたくない。俺はきっといつか世界にいい影響を与えるかもしれない。だが逆に悪いことをしてしまうかもしれないのだ。何度も言うが俺はそんな人生は嫌だ。この先、どんな旅が待ち受けているかわからない。今通っているレグレド荒野は以前に比べモンスターが強力に狂暴になっているようだ。俺もこの目で見た。モンスターは強力になっていることも肌で分かった気がする。想像でしかないが。俺はこの世界でどのように生きることになるのか。この荒野は以前に比べ危険になっている。俺は荒野エージェイルの異様な雰囲気を感じ取っていた。この荒野と同じように、異様なものを感じる。俺は危険になっていくこと世界で何かを変えることはできるのか。この世界をボイスリアクトで救うことができるのか。俺はそれをかなえられると信じている。ただ、今の言葉は無謀で自信過剰だと誰かからは思われるのかもしれない。しかし、それでも俺はこの世界のためになりたいんだ。きっと彩子も俺のことをわかってくれるはずだ。変幻のバンドーロに遭遇し、俺含め皆は恐怖に震えたが、結局サルトは倒しきれず彼がおとりになり、俺たちをあのモンスターから逃がしてくれた。今になってもサルトは帰ってこない。もう十分ほどたつが、サルトは俺たちの元へ戻ってきていない。何が起きているのだろうか。まさか変幻のバンドーロに負けたのか?いや、サルトがそう簡単に敗れるわけがない。きっと変幻のバンドーロは俊敏性が高くてなかなか逃げられないのだ。サルト一人に任せておいて大丈夫だったのか。しかし俺たちの敵う相手ではない。しかしサルトが帰ってこないのはパーティーの皆にとって小さな危機だ。今、バンドーロなどのモンスターに遭遇したらどうするのか。サルトさんがいると牙を一瞬で無力化することができたが、サルトがいない今はこの荒野は危険だ。以前に比べ大幅に危険度が上がっているらしい。脅威度がSの変幻のバンドーロはサルトさんにも厳しく、通常のバンドーロの脅威度は知らないが、予想では高めだろうから早くサルトと合流したいと思っている。パーティーの皆だってサルトのいないこの状況の中でこの危険な荒野にいるのは自殺行為に等しいと思っているだろう。

「まだサルトさん帰ってこないのかな。やっぱいむちゃだったのかな」

少々時間が経ったが合流しないサルトを心配する彩子。

「でもあのモンスターを倒せなかったから、あの判断が正しかったと思います」

「あと少しくらい待ってみましょう」

オリビアがそういうと皆そわそわしながら、サルトの合流を待った。そして少しの時間が経ち、サルトが帰ってきた。

「お待たせみんな。俺結構手こずっちゃったな」

「サルトさん無事でしたか」

彩子が安堵したようだ。もちろん皆もサルトの帰りを喜んだ。

「じゃあ出発しますか!?」

「オリビアさん早いですよ。サルトさん帰ってきたばかりじゃないですか!?」

「じゃあ少し休憩します?

「いいですよオリビアさん。俺たちは前に進み続けなければいけないから進みましょうよ。な、智也?」

「いや、俺のことだけを考えてもらわなくても」

「そうか。じゃあ、みんな、一緒に進むか?」

「はい!」

「うん!」

皆は一斉に旅の再開を祝した。こんな俺のために。みなありがとう。

 

パーティー一行はサルトの合流を機に海の町、ファートルに向けて進んだ。道中に様々なモンスターと出会ったが、あの脅威度Sの変幻のバンドーロのような強力なモンスターには出会わなかった。モンスターをどんどん倒し。先に進んだ。そして夜になり、智也がテントを出し、食事の時間だ。智也がボイスリアクトで食事を出し、みなどんどん食べた。今ではここでしか智也の出番はない。ボイスリアクトは本来、物を出すことに特化したものだから、なにも不思議はないが、異能力を発揮する場合もある。智也はそれを目指している。この世界を構築して、世界を支える一助になりたいと考えている。彩子は智也の夢を応援祖いている。智也はたまに彼のことを心配している。彼が悩んでいるときも、陰でそっと応援している。彼は彩子に好かれるために様々のことを考えているのだが、彩子は無条件に智也を応援している。彩子は智也のことを心配しているが、それは智也のことが好きだからだ。智也の人間性を彩子はみてきた。だから彩子は智也のことを信じている。もしも彩子が智也と離れても、彼のことを愛し続けるだろう。二人はいつも笑いあって、ケンカしあって。でも二人の絆は不滅だ。智也と彩子は支えあって生きているのだ。智也はそのことは分かってはいるが、なぜ自分なんかを考えてくれるのかと思っている。彩子は人間性にひかれ智也を愛しているのだ。智也の欠点がある。それは一人で悩むこと。それと自虐するところだ。智也がすごい人だということは彩子とオリビアやパーティーの皆が分かっている。変な部分があることも皆は知っているのだが、人として立派な志がある人だと皆知っている。完ぺきとはかけ離れた人間だが、皆、智也を評価している。しかし智也は皆に評価されていることを知らない。わかっていることは自分がボイスリアクトに選ばれたことと、彩子が自分を好いていることなどだ。智也はこれから成功体験を積んでボイスリアクターとして世界に貢献していくのか、または様々な不遇な人を助けたりするのか。智也は日本にいるとき、不遇な立場にいた。だからボイスリアクターとして立派になった後、この世界にいる不遇な人を助けるかもしれない。ヘンリーも智也のリアクターとしての可能性を見て、智也の信じたのだろう。智也はこの世界を救うかもしれない。そうヘンリーは思っていた。オリビアもそう思っている。少し時間が経ち皆は夕食を食べ終え、横になった。智也は強力なテントを張ったのでモンスターが近づいてきても破られることはない。破れるものがいたとしたら巨大なモンスターなので気づくだろうという考えだ。見回りにはサルト、オリバー、ウォーラーらが担当し、皆ゆっくり休んだ。


「朝だぞー」

ファシーが皆を起こした。今日はファシーが一番早く起きた。その後、ファシーは少し待ったが、我慢できずに皆を起こしたということだ。

「うるせえぞ、ファシー。まだ早いだろ」

「いいや、遅いぞ」

「まあいいぜ」

智也らパーティーはファシーの一声で飛び起き、旅を進める支度をした。皆が支度を終えると、オリビアがパーティーを仕切り出した。

「ではそろそろ出発しましょうか」

「はい」

「おう」

「うん」

「変幻のなんちゃらとかいうモンスターに遭遇したらどうしましょうか?」

「あのモンスターは超レアで遭遇するのはほぼないと思っていいです。私たちは昨日見たのが初めてです」

「オリバーさんでも初めてなんですね」

「はい。あのようなモンスターが見るほうが可能性低いと思いますね」

「そうですね」

智也らパーティーは少しづつ緊張感を取り戻した。あのモンスターに遭遇してから、これといって敵に出くわさなかったので、緩んでいたのだ。なので再び緊張感を取り戻し、安全に旅を進めていくという考えでいるようだ。智也らパーティーは旅を進めた。いつも通り、これとお言ったモンスターは出現せず、すぐにサルトが倒していった。なので緊張感が少しずつ緩みだし、談笑しながら旅を進めるのであった。その後もオリビアに連れられ進んだ。モンスターが出れば倒し、ひたすら荒野を歩いて行った。夜になり皆が就寝するところも前とほとんど同じだった。いつも通りにモンスターが近づいてこないか見張った。

「今日もモンスターは来てないな。明日が最後だし、頑張るか」

ところが皆が寝沈んでいるとき、2匹のモンスターが奇襲を仕掛けてきた。

「サルトさん起きてください。ホワイトリザードです」

「おお。夜に襲ってくるモンスターもいるもんだな」

サルトは2匹のホワイトリザードを見ると、大剣を持ち必殺技のバーンスラッシュを放った。

「ドオオオオオオオン、ドオオオオオオオン」

化身をぶつけられてホワイトリザードは戦闘不能になった。

「終わったか」

「じゃあ俺は寝るぜ」

「私はこのままモンスターが来ないか見張ることにします。昨日は夜、一体もモンスターとも遭遇しなかったのですが、今日は出ましたか」

「グウ」

サルトからいびきの声が聞こえた。その後、今晩2匹のホワイトリザードが来たっきりどのモンスターも出なかった。やがて夜が明ける。

「ふあーーあっ。朝ですか?」

彩子はオリビアに起こされた。今夜はゆっくり眠れたという彩子。しかし、今夜はモンスターの襲撃があった。それを聞かされ驚く彩子。音で起こされることはなかった。おそらくサルトが一瞬で倒してしまったと想像する彩子。すると彩子はサルトのほうを向き、少し心強いなと思った。智也は彩子とオリビアが話す声で起き、ぐっすり眠ることができたと思った。アルフィーはサルトが寝ている横で寝ているが、智也に起こされた。

「智也さん、おはようございます」

「おはよう、アルフィー」

アルフィーが起きたすぐサルトも目を覚ました。

「うーん。おうアルフィー」

「おいファシー。起きろ目を覚ませ」

智也の声でもなかなか起きないファシー。前日はファシーが最初に起きたのだが、ウォーラーらは起きてしまって最後まで寝ているエルフになった。

「うーん。よ、智也。元気か!?」

「おう、お前こそ元気かファシー?」

「元気だぜ」

こうしてパーティーは海の街ファートルまでの道中最後の日になった。智也含めパーティー全員はこの日を楽しみにしていた。海の街ファートルがどんな街なのか。智也はファートルにとても興味を持っていた。また、冒険者ムラセに会えることを楽しみにしているのだ。ファートルは海の街だけあって海運も盛んで、毎日多くの船舶が行き来する場所でとても活気のある町だ。ファートルには水の神シズーハが信仰されている町だけあって宗教がさかんでもあります。町のいたるところに教会があり、様々な信者がそこでお祈りをしている。シズーハは慈悲深い神でもあり、どんな人にも分け隔てなく愛を降り注ぎ、水を司る神である。世界中には様々な神がおり、シズーハはそのなかの神である。また、ファートルには海中都市がある。そこは海の下に大きく広大な洞窟があり、そこには水が入らない構造になっている。文字通り海の中にある都市なので海中都市ファートルという名で呼ばれている。そこは海中生物だけでなく、地上で生きる生物もおり、大多数が人間族である。海中都市には祭壇もあり、スキルやアイテムなどを合成したり手に入れることができる。そのためには鉱石やアイテムなどが必要だ。この祭壇では攻撃力3倍のスキル、「貫く者」や防御力800アップなどの「頂上バリア」、必殺技ラインノックラーなど強力なスキルを手に入れることができる。ただし、強力なスキルはレアリティの高い鉱石、アイテムが必要だ。海中都市にはその他さまざまな店があり、ここでしか手に入らない強力なアイテムや特産品や武器防具などを手に入れることができる。攻撃力1000のカットインピート、3度だけ攻撃力5000以下の攻撃に耐えるワンクッションなど強力な防具もある。だがその分高価なのが現状だ。一度だけ、高価なアイテムの金額が低くなる時があった。その原因は突き止められていない。海中都市だけ下がったのだ。この海中都市には確かに様々な店やギルドがある。もしかするとそれらが高価なアイテムに何らかの影響を与えたのかもしれない。






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