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ボイスリアクト  作者: 夕村奥
第三章
35/42

不明

サルトが戦っているのをもいて俺もあれくらい強くなりたいと思ったもんだ。今の実力じゃ全く足りないが、いつかサルトに並ぶ冒険者になりたい。いやサルトよりも強くなりたい。俺は強欲だ。サルトよりも強くなるなんて現実的に見たら不可能だ。だが、俺にはボイスリアクトがある。不可能ではないはずだ。しかしまだに俺はちょっとしたことしかできない。だがいつか本当にボイスリアクトを使いこなすことができればサルトを超える冒険者になれるの違いない。俺は信じている。そして彩子のためにもいまよりも強くなって守り抜きたい。そういえばヘンリーさんのことを考えることがある。ヘンリーはどこに行ってしまっただろうか。俺は早くヘンリーに会いたいと思っているんだが、今どこにいるのだろうか。ヘンリーに会った時には自慢できるまでには成長しておきたいな。彩子にもヘンリーと同じようにリアクターとして覚醒して、二人を安心させたい。俺は人に頼るのが苦手なところがあっていつも心配かけてるに違いない。でもいつか強くなって心配されない自分を作りたいのだ。今、創造値を図ることができる場所に向かっているのだが、結構距離があるんだな。ウェーゼは結構広いんだな。ギルド専用測定器に用があるだけなんだがな。それにしてもウェーゼにはたくさんのギルドがあるな。王都ケントには及ばないが大きいギルドも多い。そういえばケントには多くのギルドがあったな。その中の一つのサルトのいるギルドになにか親近感がわいたんだが、俺はギルドに1歩踏み入れた時、この世界のギルドというものを知ってちょっと感動したものだ。俺はまだ未熟者だが、いつかは強い冒険者になってここで活躍したいって何度も思ったものだ。ギルドにはそれぞれ個別の特徴があって、俺は一度各ギルドの立ち寄った時、各ギルドそれぞれ特徴があって面白かった。そんなときサルトさんから参加したいとの申し出があった。俺たちのパーティーにあのサルトさんが。俺は驚いたが、なんて幸運なんだと俺は青もった。お、そろそろ目当てのギルド測定器があるギルドにやってきた。子のギルドは中央ギルドのようだった。俺たちはギルドの建物の中へ入っていった。

「いらっしゃいませ」

ウェーゼの中央ギルドの中だけって中はとても広く窓も大きく、太陽の光が差し込んできた。

「ギルド測定器ってありますか?」

「どの測定器ですか」

「創造値を測るものです。この中にあるって聞いたのですが」

「かしこまりました。奥へご案内します」

俺たちは店員につられてギルドの奥のほうへと導かれていった。それにしてもこのギルドはとても大きい。太陽の光で店内がまぶしい。それだけ窓が大きいのだ。ギルド内には強そうな冒険者はいるが、サルトに及ぶ冒険者はいないようだった。俺たちはギルド専用測定器の前までたどり着いた。

「これがギルド測定器ですか?結構大きいですね。もっと小さいとおんぽってました」

「創造値を測定する測定器は結構珍しくて、大きくないと動かないんです。結構高度な技術が必要とされているので」

俺は高ぶってきた。俺のステータスは550だがこのボイスリアクトの力を左右するという創造値について明らかにするときが来た。頼む、創造値高くあってくれ。

「この中の誰が測りますか」

店員は測定器の前で機械を操作した。

「この創造値の測定器って具体的にはどのように測るのですか?たとえば攻撃力とか防御力とかそういうふうなんですか?」

「詳しくは私たちでもわからないのですが、具体的に攻撃力とか防御力とか値の基準は決まっていないといわれています。子創造値はその人その人で高さの基準とか強さの基準が変わるので。低かったとしても高い攻撃力を発揮する場合もあるのですよ。でもその場合は少ないです。一般的には創造値が高い人ほど強い場合が多いですね。私たちにはそれくらいしかわからないのです。すみません」

「そうなんですね。ありがとうございました」

オリビアがお辞儀をした。それにつられてみんなもお辞儀をした。

「では、まず誰が測りましょうか」

「じゃあ俺でお願いしまsう」

「サルトさん!?」

「ではいきます」

ギルドの店員が一度機会に手を触れると赤いオーラがサルトの周りを包む。

「ピカッ」

「ツーツーツー…」

「わかりました」


サルト 創造値 人相手210 モンスター相手370 ブースト 強い者、意志の持つ者、かわいい者890 弱い者960 意志の弱い者 -600 優しい者 250  

「わかりました。意志の弱い者が-ですね。逆に持つ者が890とかなり高いです」

「この数値って何を示しているんですか?」

「この数値は自分、相手、もしくはパーティーメンバーと干渉してどのような能力を発揮するのか決まるのです。サルトさんの場合は意志の強い人や弱い人との相性が抜群ということです。しかし、この測定はすべてを示しているわけではありませんのでご注意ください」

「じゃあ次は俺だ」

「でもサルトさんって創造値使ってませんよね」

「おう。全く使ってないぞ」

「こういうこともあるんですよ。もし使えたらこうなるよという数値を出しているにすぎないですから。また、創造値は人がどういう暮らしをし誰とかかわってどのような夢を持っているかでそれごとの数値が変わってくるので、結局のところわからないんですよ」

サルトが終わったから次は俺だ、頼む、高くあってくれ。


智也 創造値 味方、自分1320 弱い者900  ブースト 不明2200~2290、2130~2310、2750~3070、1850~1990 


「智也さんは単純な創造値ですね。しかしブーストが多すぎます。また、高すぎます! 1000以上の人ってあまり見たことがありません。いくら創造値に多様性があるからってここまで数値として現れるなんて」

「ちょっと気になることがあるのですが、創造値っていうのはステータスに関係しないのもあるのでしょうか?」

「もちろん創造値はステータスに干渉しない部分もあります。でも創造値が高いほどステータスが高い傾向にあると思います。創造値はステータスににも干渉するが干渉しない部分もあるのです。難しいですが」

「見てください。ステータスは低いですよ。550です」

「創造値が高い人ほどステータスが高いことがほとんどです。しかしこの場合はどうなのでしょう」

パーティー全員がすっかり驚いているようだ。俺ももちろん驚いている。ステータス550の平凡な自分がここまで創造値が高いなんて。しかも不明が2200だって。俺って実はすごかったのでは。ただ気になるのが一点。不明って何なんだ。それが圧倒的な数値を誇っている。

「この不明ってのは何なんですか?俺も一切見当がつかないのですが」

「私も気になります」

「おそらくいくつかの要素が絡み合って能力を発揮するタイプなのだと思います。私も詳しくはわかりませんが、ちょっと前に一人の冒険者がこのギルド測定器をお使いになられた人がいらっしゃったのですが、その人も2120だったと思いますが、不明と書かれていたのです。その人も不思議な様子で、満足げに測定を終わった後は帰っていきました。ほかの日も、不明と書かれた人も見かけました。その人が言うには、俺はたまに能力が使えるようになるんだと言ってました。ちなみにその人の数値は780不明でした」

「そうなんですね。いろいろな人がいるのですね」

「もしかしてその冒険者って冒険者ムラセの事ですか?」

「はい。一人目の方ですね。冒険者ムラセって測定画面で出ていたので間違いないです」

俺は興奮したオリビアさんも横目で見るとちょっと楽し気にいるように俺も心が高ぶっている。

「彼はどこにいるといっていましたか?」

「そうですね、なにも言わずに去っていったので。でも彼が行く場所なら見当がついてます。海の街ファートルです。ここから馬車で5日ってところでしょう」

俺は早く冒険者ムラセに会ってこの世界の事をききたい。そのためにはまず会う必要があるのだが、希望が見えてきた。それにボイスリアクトの事を聞きたい。

「わかりました。ありがとうございます」

「はい。ではこれでよろしいですか?」

「はい」

オリビアは喜んでいる様子だ。何かうれしいことでもあったのだろうか。俺は自分がまだ捨てるものではないと理解して安堵した。俺にはまだ活躍の場がありそうだ。まだ世界は俺を見捨ててないのか。ああ、早く実力をつけて、強い冒険者にならなければな。

「ありがとうございました」

「カラランッ」

「今からどこに行こう。近くに休むところでもないかな」

オリビアは俺がそういうとすぐに答えた。

「よさそうな宿を見つけたので、そこでゆっくり牛ませんか?」

「わかりました。そうしましょう」

俺はできるだけ早く旅に出たいのだが、長旅で疲れている。少しは休むことも重要だろう。

「中央ギルドから歩いて20分ほどのところにあります。では皆様、行きましょう!」

こうして俺たちは宿へと向かって歩き出すのであった。

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