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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第6章 商隊護衛

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試し撃ち

冷夏は病院でテレビばかり見ていた為、趣味が少し変わってます。

[種子島]を手に入れた翌日、ドワーフさんと待ち合わせた村外れに朝一番で向かった。

朝一番とはいえ起きたのはアヤメよりも遅い。

アヤメはいつも早起きで、刀の素振りを欠かさないんだよ。


『冷夏も神殿での朝の祈りあった時はもっと早く起きてただろう?』

むぅ。

「寝坊したわけではないよ。」

マドウの突っ込みに返事をする。

相変わらず口が悪い。


『しかし、冷夏が火縄銃に興味があるとは昨日まで知らなかった。』


「ドラマ見て憧れてたんだよ。」


病室で子供の頃見たドラマで、女優さん演じるヒロインが侍達に混じって戦う時の武器が火縄銃だった。

そのヒロインは幼い頃病弱の設定だったから自分を重ねていたのかもしれない。



アヤメと合流し、朝食を取りながら歩く。

塩を振ったジビエっぽいお肉を野菜、チーズと焼き立てのパンに挟んだサンドイッチもどき、美味しいゴハンは素晴らしい。(値段は高いけどね)


「[冷夏どの]」

村外れ、昨日のドワーフさんが手を振っている。

お店は臨時休業にしたっていうけど大丈夫なのかな?


ドワーフさんの隣に、ダークエルフさんがいる。

左耳に赤い石のついたピアスが揺れている。

ルビーかな?

宝石には詳しくないから赤い石ならルビーと単純に思った。


『冷夏、あのピアスはまずいな』

『ルビーのピアスを着けられるのは妖魔の森では特権のはずだ。』


「特権?」

禁色みたいのあるの?


『確かダークエルフ最大部族アルガの族長一族の特権のはずだぞ。』

それって初代勇者の仲間だったハイダークエルフの一族だよね?マドウ。



「[冷夏どの]、こちらのダークエルフ殿が見学したいと言うのだが良いかな?」

アヤメ曰くのヲタクドワーフさんが許可を求めてくる。


「[始めまして、私はアルガのヒューヒュと申します。]」

胸の豊かなダークエルフさんが流暢なリザードマン語で自己紹介してくれた。


むぅ、身長や体格は変わらないのに、ダークエルフ恐るべし。

前世でスタイルの良い看護師さんが肩こりするから大変と(少し自慢げに)話していたの思い出した。


「[鈴木冷夏です。]」

「[ハルピアのアヤメです。]」

こちららもリザードマン語で名乗る。

ヲタクドワーフさんだけが、リザードマン語理解出来なくてキョロキョロしている。


「大丈夫だから、準備おねがいします。」

そう伝えると、ヲタクドワーフさんが火縄の確認を始めた。



火蓋を切って、引き金をひく。

最初は的に掠りもしなかったのが、半日もしたら、的に当たる様になってきた。

実戦を想定して再充填を急ぐ。


距離は黒目がわかるくらい、狙うのは胴体の真ん中、狙いを定め、火蓋を切って、引き金をひく。

[種子島読本]と勝手に命名した小冊子のとおりに試射を繰り返す。

楽しい、銃身の中のススを取り除くのさえ楽しい。


『冷夏、アヤメが少し引き気味だぞ』

アヤメ、ヲタクドワーフさんに呪いがかった武器でないか訊くのは失礼だよ。

う~ん、アヤメが素振りしてる時と同じだよぅ。


ヒューヒュさんはずっと私達を眺めている。

『冷夏、[解析]されてるぞ』

マドウが警告してくれたが、防ぐ術はないし、ここはダークエルフ、彼女らの村だから非難するいわれもない。

ただ、眺めているだけで楽しいのかが心配。


『高位エルフの子供は3日ぐらいカタツムリを眺めて楽しめるらしいから、楽しいのかもしれん。』

むぅ、カタツムリ扱いは酷いぞマドウ。


その日は夕方近くまでそうしていた。

途中からはアヤメは稽古を始めていたけどね。

ヲタクドワーフさんの店で分解清掃を終え宿に戻る間際になって、私とアヤメはヒューヒュさんから商館での夕食に招かれた。

この世界のエルフは男女共にスレンダーです。

リング物語の人間の上位機種ではなく、妖精のイメージですね。

ダークエルフは進化したので、男は細見の筋肉質

、女はスタイル抜群です。


私の黒歴史がまた1ページ



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