馬車の中で
デグが空気になってますね。
きっと偉い人に呼ばれて緊張しているのでしょう。
国境の街ノウルに戻ると、ロバートはちょっとした英雄になっていた。
街道に巣食っていた魔獣マンティコアを討伐し、山賊を討伐した英雄。
騎士ノウルの血筋を街の人々は褒めそやし、マンティコアの首は城に飾られると言う。
病のブリオン・ノウルにかわり、ロバートの兄ジェフリー・ノウルから[五芒星]は城に招かれた。
「男ばかりの6人兄弟でな。」
「家を出た俺以外、他の兄弟は4つある領地の村に代官として追い払われている。」
「残った次男のジェフリーが、クソ野郎だとわかるだろう。」
馬車の中でロバートが話す。
差し向けられた馬車は2台、この馬車にはロバートと弟と乗っている。
「[流星召喚]の事はどうするんですか?ブレナにも訊かれましたよ。」
「ミケを疑っていただろう。うまくはぐらかすさ。」
「もちろんレイカにもミケが話してあるはずだ。」
ロバートが対策は済んでいると答える。
「前にジェフリーに招かれた晩に決めたんですか?」
「レイカのことを自分達兄弟に黙っていたのは何故です?アヤメは知っていたのに。」
ロバートに疑問をぶつける。
「アヤメが知っていたのは偶然だ。」
「俺が知ったのも、[流星召喚]の作戦を決めたあの晩だ。ミケの発案さ。」
「あの日はロバート……」
もう一つ訊きたい事があった。
ゆっくり走っていた馬車が城に到着する
「後はミケにきいてくれ。」
ロバートは馬車を降りながら、早口で答えた。
「マンティコアの件は想定外だ。俺はダークエルフだと考えていた。」
城での儀式は滞りなく終わり、翌々日には追われる様に商隊は街を出発した。
ミケにあの日の事をたずねる勇気が自分にはない。
お話上普通に話してますが、板バネなく、ゴムタイヤでもない馬車で話したら確実に舌噛むでしょう(笑)
それに車輪の音も酷いはずです。
私の黒歴史がまた1ページ。




