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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第6章 商隊護衛

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冒険者の墓

ご存知のとおり、ロバートは地元出身です。

討伐隊本隊と昨夜の夜営地跡で合流した。

「[大地母神よ、傷を、癒やし給え]」

レイカが怪我を癒やしてまわっている。

デグはレイカを手伝っていた。

護るように隣にいるのは、レイカに公私共に強引なアプローチしてくる者がいるからだろう。


アヤメは死体に祈祷するため、生き残った神官と関所跡に向かった。

夜までに祈祷が終われば、[永遠の神]に魅入られる事はまずない。


ミケはロバートと共に討伐隊の行動計画を立てている。

すぐ側で[防腐魔法]で処理されたマンティコアの首が空をにらんでいた。

[マンティコア殺し]街に帰れば[五芒星]の名声は高くなるはずだ。


魔術師のブレナが、こちらに歩いてきて質問する。

「[流星召喚]はあのハーフエルフが用意したのですか?」

もっともな疑問。

[小魔法]で儀式をして数日かかる魔法。

魔族の[中魔法]でも数時間はかかるという。

しかも成功率は高くない。


「[防腐魔法]をあのハーフエルフがかけているのを見ました。しかも[中魔法]で。」

[中魔法]は気づかれにくい。

ミケを見ていなければ、わからないはずだ。

ただミケに視線がいくのは大抵の男なら当たり前なので偶然かもしれない。


「ミケは魔術士だ。」

それだけ答えた。

自身の目でみても信じられない。

レイカが大魔法を使う契約者。

人間で2人しかいない大魔法使いだとは。


「ジグ。何人か連れて死体から食料と金を回収してこい。」

「ブレナは、飯の準備を頼む。」

ロバートが指示を出す。

「墓は掘らないのですか?」

ブレナが問いかえす。


「ここらへんで死んだ者に墓は意味がねぇ。ゴブリンが掘り返すからな。」

ロバートが言うとおり、ここは既に人間のテリトリーではないのだ。


夕方

1人1杯だけのささやかな酒宴が張られた。

6組の冒険者のうち、欠員がないのは[五芒星]だけ。

2組は全滅し、残り3組は誰かしら戦死者を出している。

総勢18名が生き延びた。

山賊やマンティコアを討伐したことの高揚感はまったくなかった。

この世界で一番繁栄している二足歩行生物はゴブリンかもしれません。


私の黒歴史がまた1ページ

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