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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第6章 商隊護衛

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黒い鬣

魔術師ブレナ目線です。

討伐隊総リーダーのロバートさんが空を眺めている。

まだ星が残っている空に何かを探しているかの様だ。

天候は晴れ、雲一つない。


「グリフォンが出たりしませんよね?」

あまりに真剣に空を眺めているので思わず声をかけてしまった。


「馬なんか一頭もいないだろ。」

そう、討伐隊は全員徒歩だ。

荷馬さえいない。

指揮官は普通馬上にあるものだがロバートさんは徒歩だ。


空の片隅が光った。

「全員伏せろ!」

ロバートさんが叫び、伏せる。

自分も引き倒された。


轟音、閃光、爆発、爆風。

何が起きたのかわからない。

ただわかるのは目指していた関所が跡形もなく吹き飛び、地面に穴が空いている事だけだ。

山賊達の残骸が転がっている。


「張り切り過ぎだぜ、嬢ちゃん。」

ロバートさんが呟いた。

この人だけは、こうなる事がわかっていたのか。

詳細を尋ねようとしたとき、討伐隊の後方から悲鳴があがる。

山賊の残党が攻めてきていた。


数はわずか5人、いや4人+1頭が正確なのだろう。

中央で指揮を取っているのは人間ではない。

黒い鬣の獅子に老人の顔、蝙蝠の羽根に蠍の尾、魔獣マンティコアだ。


〔毒の霧〕(使1残29)

霧に呑まれた3人が、目や鼻から出血しながら、吐血し倒れた。

後方の副指揮官だった至高神の聖戦士が叫び突撃する。

「間合いを詰めろ、押し包め」

悪手だ。

魔獣対策のないまま乱戦になってしまった。


[三本の矢](使1残4)

もう1人の魔術師が牽制の魔法を飛ばす

[魔力障壁](使1残28)

マンティコアが蝙蝠の羽根を羽ばたかせ防ぐ。

白兵した戦士の1人が蠍の尾の直撃を受けて血泡を吹いて倒れる。


マンティコア以外の山賊はすでに全員斬り伏せた。

相手が人間なら、数が勝る方が勝つ、だが魔獣マンティコアが奮戦する。

[光の矢]

[火球]

[魔力障壁]

[稲妻障壁]

[毒の霧]

[魔力反射]etc.

マンティコアは離れては魔法、近づくと獅子の爪に蠍の尾をふるう。

既に10名以上が死亡し、士気は霧散している。

ただ逃亡試みた者は背後から魔法で瞬殺される為、残っているにすぎない。


自分も魔力が残り僅かだ。

ロバートさんも負傷している。

こういう時は殿を置いて退却が基本だが、この場合の殿は確実に死ぬため寄せ集めの討伐隊ではままならない。


「ジグ、デグ、前方左右から挟撃。アヤメは背後から、レイカはロバートを癒して。」

銀髪碧眼のハーフエルフが指示を飛ばす。

[五芒星]がマンティコアの前に割って入った。


「ブレナ!今だ、部隊をまとめて退却させろ!」

ロバートさんが叫ぶ。


「[死神よ傷を癒やせ]」(使1残7)

レイカさんの治癒で傷の癒えたロバートさんは再びマンティコアに向かってゆく。


連携のとれた[五芒星]が殿をつとめている間に生き残りの討伐隊は退却した。

退却できたのは12名にすぎなかった。

(たてがみ)

殿(しんがり)

スマホは便利ですね。


余談ですが、これを読んでいる方に、シャムタンティの丘を越えられた方はどれほどいらっしゃるだろう。

越えられた方なら強敵とお分かりいただけるかと。


私の黒歴史がまた1ページ。

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