聖女の村
ミモザの後日談です。
こうして伯爵と魔女ミモザの交渉が始まることになったがなかなかの難題だった。
結局決着には30日以上日数を用した。
政治的決着が、なかなかうまくつかなかった為だ。
(親書が行来するたび伯爵からの指名依頼で[五芒星]は行き来した。)
魔女ミモザの主張は伯爵に下級騎士の地位とミモザ村及び魔女の森の領有権の再確認を求めること。
もちろん認められたなら納税や兵役義務を果たすと言う。
魔女ミモザの主張の根拠は3代前の伯爵からの公文書があると言う事。
一度伯爵の文官と同行し、確認に行って一緒に見た。
古い形式だが、書類的には問題がなかった。
魔女ミモザの主張を伯爵の顧問神官から知った至高神の教団は猛反対した。
魔獣が下級騎士として領土を持つなどあり得ない。
魔女討伐隊を出すべきだ。
最低でも冒険者に討伐依頼を出すべきだと主張した。
伯爵側は自分の曾祖父が出した書類控えを確認して、確認がとれたらしい。
書類が公式な物なら伯爵側は認めざる得ない。
認めなければ過去伯爵の出した公文書全てに疑問が生じてしまう。
大地母神殿が仲介に入り妥協を促したが至高神教団は条件を出して粘った。
至高神教団の条件は、村にも大地母神殿にも属さない第3者を代官にすること。
流石に魔獣に直接支配された村は至高神教団的に許し難い。
代官は至高神の神官を出すと主張した。
そして先日やっと、伯爵の名で布告が出された。
①[聖女ミモザ]の村、及び近隣の森は下級騎士ミモザ・リヒテが領有すると認める。
②大地母神簡易神殿は[聖女ミモザ神殿]に格上げされ大地母神官が常駐する。
③しばらくは村長は置かず、代官として魔術師ククルを任命する。
③については、大地母神殿が手を回し魔術師ギルドと謀って、借金の返済の肩代わりを条件にククルに代官を押し付けたのだ。
実際は派遣される神官が村を差配する事が多くなるだろう。
布告を見たミケは笑っていた。
ククルはある意味見捨てられたのだ。
下級騎士は1代限りですが、寿命のない魔獣を任じてしまうと……。
この章はこれで終わりです。
よろしければ、感想、評価をおねがいします。
色々あり、投稿ペースかわりそうです。
私の黒歴史がまた1ページ。




