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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第5章 仮面の魔女

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出撃前夜

時間的には少し遡ります。

魔女ミモザ目線です。


しばらく調律をしながら酔いが去るのを待つ。

魔獣になってからは睡眠が必要ないからか夜が長い。


夕食前、デグさんは尋問に素直に答えてくれた。

情報の重要性がわからないのだろう。

軍では捕虜になったらどう振る舞うかも教えてくれた。

魔獣が捕虜にしてもらえるはずがないからと、熱心には聞いていなかったけど。


デグさんはレイカさんと言う歩き巫女が逃げ出せたかだけを気にしていた。

大地母神官とは久しぶりに話してみたい。


石なっても意識が残ることはあまり知られていない。

大抵の人は恐慌し、諦めがつくまでは、[助けて]だの、[許して]だの、しか言わない。


デグさんがレイカさんを真っ先に案じていたから[恋人?]て訊いたら違うと否定していた。

「レイカさまは聖女だ」と言う。


「ミモザさまは聖女だ。」

村人たち全員がそう言っていた。

私もそう思った。

今でも思っている。


だから尋問でデグさんが語った話には、まず驚き、そして怒りがこみ上げてきた。


魔獣に治められた村。

その悪評が広まり冒険者がくる様になってからは森へ引きこもっていた。

ミモザの作った村が発展してくれて、その片隅にいられれば充分だった。


しかしそれは間違えだった。

ミモザの献身は消され、あの一蹴した騎士の偽りの武名が伝わる。


誤りは正さなくてはならない。

村で松明が揺れている。

魔王軍にいた時も出撃前に楽器を調律しつつ朝を待った。

魔歌の旋律は指が覚えている。


ミモザ・リヒテ参る。

朝になりスケルトンウォリアーを引き連れ出撃した。

この世界ではメデューサは触ると石化した人と話せます。

ですから、メデューサによっては嘆き叫ぶの聴いて楽しむという事に、暗い喜びを見出す個体もいます。


護衛にスケルトンウォリアーをつけメデューサ出撃。

SFっぽい字面ですね(笑)。


私の黒歴史がまた1ページ。

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