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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第5章 仮面の魔女

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すれ違い

音の再生魔石はポケットに入る大きさで、様々な音楽がきけます。

(リンゴのマークはついてません。)

私が石化から戻って以来、赤毛がすっかり無能になってしまっている。

弟の事が気になるのか、私が甘くし過ぎたのか?


比べたら男としても、冒険者としても仲間の方が優れている。

ただ残念なことに、仲間と縒りを戻すことは難しい。

赤毛に仲間の勘の鋭さの半分でもあれば……と思う。


話し合いでも私の顔ばかり見ていて、的外れな質問までした。


私自身、危機的状況への苛立ちが少し漏れているかもしれない。


「追い詰められても、冷静に。」

私の養父の言葉だ。



私の養父はハイエルフで犯罪者。

エルフ法のもっとも重い刑罰、[剥奪の刑]を受けた白いダークエルフ。


エルフ法はエルフに対する死刑を廃止している。

通常は耳に切り込みを入れて追放が一番重い罰。

剥奪の刑はエルフ権を剥奪し、死刑を可能にする罰。


「追い詰められても……」は、処刑前に大魔法で悠々と脱出してきて吐いた言葉。


その罪の原因となったのは大魔法書[妖魔の書]。

学問の神の禁書図書館に封じられていたものを盗み出し、研究していたのが発覚してしまった。


[妖魔の書]が盗まれた日、図書館内の全員が殺害された記録が人間には残っているという。

(殺害したのは魔族の仕業になっている。)


魔術も、初めての夜も、生き延びる術も、養父に全てを教わった。

人間でも、エルフでもない、哀れな生き物の私には過ぎた養父。



魔女の家が見えてきた。

[状況確認と解析](使1残6)

簡易ウッドゴーレム

能力(魔0聖0)

待機中。


偽装魔術もなく、魔女の家の入口に小型のウッドゴーレムが立っている。

近づくと問答無用で攻撃してきたが、仲間と赤毛であっさり破壊出来た。


外から呼びかけても返事はない。

魔女が留守にしているなら千載一遇の好機。

魔女の家に潜入する。


ラボがなければ村でよくあるただの家。

ラボには禿頭の石像、大地母神の経典、壺に入ったワインの残り、旧魔王軍の軍服。

リュートやバラライカの楽器に音の再生魔石、古い魔王軍の戦術教本。


「大地母神よ石化を癒やし給え」[使5 残3 ]

禿頭が石像から人間に戻る。

「ありがとうございますレイカさま。」


「怪我も治すよ。大地母神よ怪我を癒やし給え」[使1残2 ]

転生者は神官として様になってきている。


「大丈夫かデグ」

赤毛が気遣わしげに訊く。

違う。

今は見てわかる事を訊く時じゃない。


「メデューサはどうした?どのくらいで戻るかわかるか?」

仲間が問いただす。

仲間に比べて赤毛の緊迫感のなさにうんざりする。


「ミモザは村に。」

禿頭が答えた。


「洞窟に戻り婆さんを回収する。レイカには幸運の神の加護もあるのかミケ?」

今度また解析をかけても良いかも知れない。

禿頭を気遣う赤毛を眺めながらそう思った。

エルフ権はエルフに産まれたものに、与えたられた権利。

と、エルフ法は言いますが、ダークエルフのエルフ権は認めていません。


ダークエルフの方がエルフに寛容だったりします。


私の黒歴史がまた1ページ。

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