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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第5章 仮面の魔女

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芳醇

前門の魔獣、後門の村人。

夜の森は月光も届かず、村の方では松明が揺れている。

こちらは灯りが漏れるのを恐れて光源は1つに絞っている。

レイカの魔導具が発する僅かな光だけだ。


老神官が昔、森で泉の湧く洞窟を見つけた事があったという。

50年近く前の話で頼りないがもしあるなら、身を隠すのに最適だろう。


森の奥に進みしばらく彷徨った。

真夜中近くになって洞窟への道を見つけた。

魔女の家の方向から続いている。


「[前門の虎、後門の狼]ってアヤメなら言うかな?」

レイカがリザードマン語で何か呟く。


「とりあえず洞窟にゆき朝まで休もう。」

「家がある魔女が夜中に洞窟にはこないだろう。」

ロバートがそう言って道を進む。




甘い香りがする。

甘い果実酒の香りがする。

ぼんやりとした光が見える。

矢の風切り音がする。

「ジグさん!あぶないよ!」

レイカに突き飛ばされた。


正気に戻る。

ミケはロバートを突き飛ばしている。

こんな時にも、微かな嫉妬心があるから不思議だ。

赤髭には何本もの矢葉が刺さっている。

ククルの持つ魔術師の杖にも矢葉が刺さり、腰を抜かしている。

「弓矢草だ下がれ!」

ミケが叫ぶ。


夜になると幻覚を見せる花粉を飛散し、獲物が近づくと、矢に似た葉を打ち出す。

そうして殺した生物を養分にする魔物的植物。

魔力があると誘惑に耐えやすいとはいうが……。

先程まで、自分は弓矢草に完全に魅入られていた。


「ソバカス!さがったなら火球を放て!」

ミケが叫ぶ。

戦闘中のミケは雰囲気も言葉も一変する。


レイカは小刀を取り出し赤髭に刺さった矢葉を斬っている。

矢尻を抜かないと回復はかけられない。

大地母神殿で学んでいるのは無駄ではないらしい。


ククルが詠唱している。

小魔法はやはり、中魔法よりも遅い。

中魔法を使う魔族が恐れられる理由の1つだ。


[火球](使2 残3)

ククルが杖を示すと火の玉が弓矢草に飛ぶ。

小さな爆発音がして弓矢草が火に包まれる。


「詠唱速度だけは、まずまずね。」

ミケがククルの火球で燃える弓矢草を見ながら言う。


弓矢草が燃え尽きるのを待ち洞窟に入った。

その間レイカは赤髭の為に祈祷を行っていた。



洞窟の中は静かだった。

奥から流れてくる流水音だけが聴こえている。

やがて最奥に付くと澄んだ泉があった。

天井の一部に穴が空き、月光が差し込んでいる。


ミケが近づき泉の水をとり、口に含む。

月光に照らされた、神秘的な美しさ。


「魔力の泉ね。メデューサが住み着いたのはこの泉があるからね。」

「ククルもレイカも飲みなさい。少しだけど、回復するわよ。」


予定通り朝まで、この洞窟で休むことになった。

ロバートと見張りの順番を決め、泥の様に眠った。

弓矢草の元ネタの本が(ゲームだったかも)思い出せないです。

お心あたりのある方は感想等で教えてくださると幸いです。


私の黒歴史がまた1ページ。

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