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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第5章 仮面の魔女

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矜恃の扱い

啓示を受けた後、平民は下級神官、貴族は神官になる慣例があります。

下級神官で経験を積むと神官になれます。

仲間と禿頭がお届け依頼から無事戻ってきた。

赤毛と転生者とも話して、そろそろ[五芒星]として、次の依頼を探すことになった。


私が依頼の掲示板を眺めていると、転生者あてに先日のおかっぱ娘が訪ねてきている。

噂になっている人狼斬りの娘、店がざわついている。


[解析](使1残6)

竜人。女性

大地母神の啓示あり。

能力(魔0聖4竜1)

杜若(+3)リザードマン刀


禿頭や赤毛などより腕がたつ、しかも魔剣持ち。

歩き巫女として独り立ちしたら、転生者を通してスカウトしよう。


赤毛は剣は一般兵並、街中を歩くときの屑除けとしては充分な腕前だが、冒険者としては物足りない。

試した感じとしては悪くなかったから及第点といったところ。


「見習いの4人部屋から、下級神官用2人部屋に移りました。」

「しかも同室者なしの実質1人部屋です。」

竜人が転生者と笑いながら話す。


「アヤメ凄い。出世したねぇ〜。嬉しいよ。」

転生者が自分の事の様に喜んでいる。

意味がわからない。


「レイカのおかげです。」

「早く下級神官から神官になって、歩き巫女になれる様に精進します。」

転生者と話し終わった後、竜人が、こちらを見ている。

どうやら、修業の気晴らしにきた訳ではないらしい。


「レイカのパーティーの責任者は、あの方ですか?」

竜人が話している途中、栗毛が注文していた料理を運んできた。


「ん、そうだよ。ミケさんが責任者。」

転生者が料理に早速手をつけながら話す。

仲間が苦笑している。


「[五芒星]の責任者はロバートよ。レイカ。」

「私はその補佐。」

にこやかに訂正する。

仲間は気にしないと、わかってはいる。

しかし、男の矜恃は傷つけない方が無難と経験上学んでいる。

それに仲間は貴族の端くれなのだし、リーダーには適任と考えている。


「実は神殿から依頼を発注してくる様に言われて、書面を預っています。」

「推薦依頼なので先にお話出来たらと思いまして。」


「推薦依頼?」

転生者が不思議そうな顔をする。


「このパーティーが受けてくれるなら、優先して依頼します。が、推薦依頼よ。」

転生者には教えておいた方が良いだろう。


「後、パーティー指定の指定依頼。」

「条件明示しての公開依頼。」

「1番安い価格つけたパーティーに依頼する入札依頼などがあるわ。」

「冒険者の店に入る手数料が変わるし、メリット、デメリットもそれぞれね。」


竜人は仲間と話している。

「……なるほど、ミケ殿に話をすれば良いですか?」

不可解そうな顔をする。

矜恃を宥める手続きは必要なのよ。竜人。


仲間は笑いながらカウンターのドワーフにエールのお替りを頼む。

「内容を聞かせてもらえる?」

テーブル席の竜人の横に私は座る事にした。

新章スタートです。


私の黒歴史がまた1ページ。

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