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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第4章 領都にて

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啓示

ライカンスロープ症は恐れられています。

知識のない人々は疫病ではなく呪いと捉えているのです。2020年、知識あるはずの私たちでさえ疫病に右往左往したのですから、この世界の人々の恐怖は大きいはずです。

アヤメ視点です。

神官戦士長の呼び出しに応じ神殿脇の実務寮まできた。

昨夜入浴した上級神官用の大浴場がある神官寮の隣り。


途中、神官戦士やその見習い達が朝練をしている練武場の脇を抜けたが注目の的になった。


「ほら人狼斬りよ」

「あのおかっぱの娘が魔剣を?」

「嘘でしょ、アヤメが人狼斬りなの。」


神官戦士長執務室に行こうとすると会議室に案内された。

神官見習いが神官に案内される。

これはまずい予感しかしない。

案の定、会議室には神官戦士長、医療神官長、ケリー先生、そして大神官が待っていた。


「このリザードマン刀が[人狼斬り]確かに強く魔力を感じますわ。」

神官戦士長が杜若を検分しながら話す。

神官戦士長は胸が大きく色気があり槍の達人。

耳年増な話の主人公に良くなる人物。


「買おうと思えば金300枚はする名刀ですわね。」

島を出るとき、金貨3枚で買った無銘刀が随分出世した。


「しかし、魔剣があっても普通、人狼を真っ二つには出来ないわ。アヤメ、貴女の秘密はなにかしら?」

神官戦士長に訊ねられる。

私の秘密は竜人ってだけだけど……。


「それだけではありません」

医療神官長が重ねて言う。

「高熱に伏せる歩き巫女についていた傷痕や症状からライカンスロープ症を疑ってますね。」

「神官見習いにしては……」

こちらは大地母神ではなく魔術師といった方が似合う神経質そうな印象。


「それについては異議があります。アヤメは当初宿直の医療神官に対応を打診してます。」

ケリー先生が話す。

お元気そうだ。良かった。


これは実質審問会だろう。

被告は私で弁護がケリー先生。

神殿のライカンスロープ症への対処法は朝まで閉じ込め放置したあと処分するだった様だ。

多分、私は勝手な事をした神官見習いとして処分される。

俯き、手を握りしめる。


大神官が机をいきなり叩いた。大神官は初老の静かそうな、おば様に見えただけにびっくりした。

場が静まる。


「アヤメ。昨夜はご苦労さまでした。」

「刀術の流派は?」

大神官は一転、穏やかに訊ねてくる。


「一二三流です。」

正直に答える。何故流派を訊かれたのだろう。


「良い腕ですね。皆伝?」


「いえ、目録はいただいてますが。」

皆伝とかの言葉さえ知らない人が多いのに大神官って?


「そうですか。」

「大地母神殿から、ライカンスロープ症が発生した事。それ自体がスキャンダルになります。」

至高神教団が、うるさく騒ぐかも知れない。


「しかし、それ以上にレイカが普通でない事を秘さなくてはなりません。」

あれ?レイカ、バレてるかも。


「だからアヤメ。あなたには英雄になってもらいますよ。」

大神官は穏やかに、しかしはっきりと告げた。



夜。

今日は疲れた。

見習い神官の4人部屋、二段ベッドの上なので天井が近い。


今まであまり話さなかた神官にも、神官見習いにも、色々訊ねられた。

常時帯刀を許可され、というか命じられ、刀とセットで「人狼斬り」と呼ばれた。


今日は疲れた。

私はすぐに眠りに落ちた。


夢?

(アヤメ。あなたは神力が4です。)

(神官的には5は欲しいところですが、日頃の修行とレイカを守った功績を鑑みて神聖魔法を授けます。)


「やはりレイカは聖女なのですか?」


(可能性は秘めてます。)


「レイカが大地母神さまに祈る時、死神と祈るのは何故ですか?」


(……リザードマン語わかるんでしたね。アヤメは。)


(精進なさい……。)


目が覚めると神聖魔法が授けられているのがわかった。

大地母神さまから啓示を与えられたのだ。

啓示の内容は他の啓示を受けた神官達と同様に思い出せない。

でも……なんとなく話をそらされた気がするのはなぜだろう?

この章はこれで終わりです。

よろしければ、感想や評価お願いいたします。


私の黒歴史がまた1ページ。

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