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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第4章 領都にて

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杜若

転移魔法の目的地は、それぞれの意識に強く刻まれた所になります。

魔術師なら魔術師ギルド施設が大半です。

冷夏視点です。

「どうしようマドウ?」

『冷夏、そなた1人なら転移で逃げられるぞ』

また、マドウは逃げる提案をしてきた。


『冷夏なら、大地母神のシンボルが祀られているか、大地母神の縁の地なら跳べる。』

私が欲しい提案はそうじゃない。


「大魔法って、ぶっ放し系か、跳んで逃げるしか出来ないの?」

マドウからは「隕石落としたり、極太レーザーを撃てる。」とは聞いていた。

だけど、目の前の人狼は倒せない。


『範囲殲滅以外にも、天候を変えるとか、永続付与とか出来るぞ。』

「じゃあいきなり朝にするとかは?……永続付与?」


『魔力を永続的に付与する事を言う。』

『勇者の剣は初代勇者の為に、先代の妖魔族盟主が[勇者の書]の大魔法で作った。』

『[勇者の書]に出来て、我に出来ぬはずあるまい?』


『まぁ、あの高位ダークエルフは魔術の達人だし、剣もドワーフ製の最高傑作。勇者の剣をもう1本とまでは……。』


「マドウ。魔剣を作るよ。」

私はマドウの話を遮った。

話長いんだよ。マドウって。


「アヤメの日本刀を魔剣にしちゃう。」

『……なるほど、考えたな冷夏。』


『(魔剣さえあれば、おかっぱ頭と人狼の勝負次第になるからな。しかし……)』


『危険はあるぞ。アヤメが負けたら一蓮托生。そなただけ跳躍なら確実に助かる。』


「もし、そうやって跳躍して助かっても、スマホは泉に投げ込んじゃうよ。マドウ。」

そんな事して助かっても自分が許せなくなる。

オーガとの戦いのあとそう思ったんだ。


『それは遠慮願う。冷夏。』

私はアヤメに作戦を話した。

承諾してくれたアヤメから、鞘ごと刀を受け取り詠唱を始める。


『冷夏。そなたは1日魔力を10使える。ただ1魔力は契約の継続や翻訳に使うから、残は9。』

『憑依詠唱で1。高速詠唱で1。永続魔力付与で6。残は1。』

『神力、魔力共に残1。後はないぞ冷夏。』


高く、低く、自分の声なのに自分ではない声。

不思議な旋律。淀みない詠唱。

アヤメは不安そうに軋む扉を見つめている。

言葉によりイメージが、魔力が沸き上がる。

沸き上がる。沸騰しそう。

『汝に銘と魔力を授ける。』


『杜若』

イメージが収束し銘と共に刀に宿る。

同時に扉が破れ人狼が飛び込んできた。

刀をアヤメに渡す。


「死神の閃光」(使1残0)

人狼に目くらましの同じ手は通じなかったけど、突進は止められた。

アヤメが抜刀し、八相に構えている。

いつ抜いたの?


人狼とアヤメが向き合い。

ほんの一瞬時が止まった。


時が動き、人狼はきれいに2つになった。

遅れたように鮮血が飛び散る。

アヤメは刀の血を払ったあとゆっくり刀を納めた。

マドウが勇者の剣をドワーフの最高傑作の剣と言及したのは、剣や刀の出来が悪いと魔力に耐えかね砕けるからです。

冷夏が1日1本魔剣作りとかは出来ません。

名剣、名刀のみが強い魔剣になるのです。


私の黒歴史がまた1ページ。

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