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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第4章 領都にて

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日本刀

リザードマンは卵から産まれます。

竜人は胎生です。

アヤメ視点です。

「レイカさん。これから……」

私は残された時間をどうするか相談しようと、声をかける。


「う~ん。アヤメちゃん。レイカって呼んでよ。私もアヤメちゃんじゃなくてアヤメって呼ぶからさ」

と返事がきた。


「では、これからどうしましょうか?レイカ」

改めて声をかける。

竜人族としては、本来なら「レイカさま」と呼ぶべきなのだが。

レイカは思案顔になる。


竜は100年ぐらいの周期で1〜2個の卵を産む。

そのうち有精卵は竜になる。

そして無精卵からはハイリザードマンが産まれる。

そのハイリザードマンと日本人転生者との間に産まれたのが竜人族。

だから、竜人族は転生者を敬う。

竜人と人間との間には必ず竜人が産まれるので竜の島では少しずつ増えている。

島外では誤解されているが、竜人族はリザードマンとは交配出来ない。

そもそもリザードマンと性交渉など行わない。

リザードマンの知り合いも良い迷惑だと話していた。


ちなみに通常のリザードマンはハイリザードマン同士から産まれたとリザードマンの伝説は言う。

ハイリザードマンは必ず男が産まれるから、伝説では……なのだけど。


「人狼は魔力付与された武器でしか傷つけられません。」

「そして、この場に魔術師はいません。魔剣もありません。」

「人狼に喰い殺されるぐらいなら、お二人を斬ってから、腹を切ろうと考えていたのですが……。」

思案顔のレイカに話かける。

思案中に呟くのはレイカの癖だと知っている。


「う~んアヤメ?それって魔剣があれば何とかなるってことかな?」

呟きから戻ったレイカに訊かれる。


「魔剣さえあれば人狼に遅れは取りません。」

「一二三流刀術で斬り伏せて見せます。」

そう魔剣があれば……。


「なら、魔剣を作っちゃおうよ。」

「アヤメその日本刀貸して」

あっけらかんと言われた。


レイカはリザードマン刀を日本刀と言った。

疑ってはいなかったけど、レイカが転生者と確信出来た。

竜の島でも日本刀の呼び名を使うのは刀鍛冶のひと握りと一二三流の師範ぐらい。


「レイカは魔術が使えるのですか?」

通常なら考えられない。

魔術を修めるには年月と資金がかかる。

しかし転生者なら、もしかして、と思える。


「う~ん。私というか、なんというか……。」


部屋の扉の外で音がした。

人狼の唸声。

時間がない。


レイカが刀を手に呪文を唱え始めた。

高く、低く、レイカが聞き慣れない言葉を紡ぐ。

私が神聖魔法が使えるなら、多少なりとも時間が稼げるかもしれないのに。


人狼が扉に体当たりを始めた。

扉が壊れるのも時間の問題だろう。

ハイリザードマンは人間と交配可能ですが、通常のリザードマンは人間との交配不可能です。

またハイリザードマンは通常リザードマンとも交配可能です。(というかそちらが普通)

アヤメは疑っていましたが、ハイリザードマンの突然変異の雌が通常リザードマンを産んだ可能性が高いです。


私の黒歴史がまた1ページ。

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