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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第4章 領都にて

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裏路地

夜ですが、街中は灯りが漏れるので、月が出ていると比較的明るいです。

もちろん現代とは比較になりませんが。

冷夏視点です。

「こちらの方は大地母神の正神官です。」

「ですから、私が3人ともお相手いたします。」

アヤメちゃんが、いきなりとんでもない事を言いはじめた。


「へ〜、見習いの鑑。健気じゃん。」

「もしかして、経験豊富?」

「欲求不満だった?」

チンピラ達がニヤつきながら好き勝手言う。

頭にくる。

けど逃げないと、アヤメちゃん。


「3人いっぺんに、お相手するのは初めてです。」

アヤメちゃんが大胆な告白をした。

私はアヤメちゃんの袖を引っ張る。

逃げなきゃ駄目だよぅ。


「じゃあ処女じゃないんだ。」

「ビッチじゃん。」

「まぁいいや、誰からにする?」


チンピラが近づいてくる。

「[レイカさん。3歩下がって]」

アヤメちゃんがリザードマン語で囁く。


私はその囁きに何故か気圧されてしまった。

囁きだったのに。

よろめく様に3歩さがった。

「[ひい、ふう、みい……]」

アヤメちゃんが呟く。


気がつくと、アヤメちゃんは刀を抜いていた。

先頭のチンピラが肩口から切られ血を吹き出して倒れている。


うそ! 抜刀術!

マンガの実写映画でしか見たことないよ!


アヤメちゃんはそこから流れる様に2人目に突きを入れて、横薙ぎに切る。


2人目のチンピラは突きは躱したけど横薙ぎで首を半分切られた。

吹き出す血が噴水みたい。


うわ〜。

現実感がわいてこない。

アヤメちゃんは返り血で血だらけ。

どうしよう?

アヤメちゃんの神官服の洗濯どうしよう?

『混乱してるな冷夏。』


チンピラの残り1人は今更ながら短剣抜いたけど完全に腰が引けている。

アヤメちゃんは八相に構えジリジリと間をつめていっている。


耐えきれなくチンピラは背を向けて逃げだそうとした。

アヤメちゃんは大きく踏み込み背中から袈裟懸けでバッサリ切った。


衛兵さんがこの死体見たら、時代劇みたいに

「袈裟懸けでバッサリだ。」

とか言うのかな?



「お待たせしました。祈祷だけお願いします。」

ゾンビゾロゾロとかは嫌なので慌てて祈祷する。


「う~ん。アヤメちゃん。どうしよう?」

正当防衛にしてはやりすぎだよ。


「大丈夫です。衛兵は半刻は来ません。急ぎましょう。」

「心配無用です。現行犯でなければ、チンピラの為に衛兵は働きません。」

あれ、凄く冷静。

アヤメちゃんって刀持つと人格かわるタイプだったりするのかな?


「3人を切り伏せたのは初めてです。」

「そんなに実戦経験豊富ではありません。」

アヤメちゃんも、少しハイにはなってるみたい。


神殿に呼ばれた理由を訊く前に大地母神殿についた。

すっかり訊ねるのを忘れていた。

この世界では、抜刀術は刀を早く抜く技です。

抜き打ちはその技の1つで抜いて斬りつける技です。

アヤメが使ったのは抜き打ちですね。

初見殺しですが、無敵の必殺技ではありません。


私の黒歴史がまた1ページ。

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