それぞれの休日
五芒星は6人部屋をパーティーで借りてます。
6人用ベッドが1つではなく、病院の大部屋みたいな感じをイメージしています。
ジグ視点です。
夕方
「まわる水車亭」のテーブルで自分、ミケ、レイカさんの3人で夕食をしている。
ロバートさんと弟は領都を離れている。
近隣の村までのお届け依頼を2人で受けていた。
帰って早々。
「デグ、冒険者の楽しみを教えてやる。」
「経験ないんだろう?」
と言って、ロバートさんが弟を連れ出していた。
きっとそこで、散財してしまったのだろう。
あと、数日で戻る予定だ。
ロバートさんがついているから、心配はしていない。
レイカさんは大地母神殿に通っている。
平均的な神官は日に5〜6つ神力を使える。
ミケの話では日に8つ使えるというレイカさんには才能がある。
ミケとは、色々話をしている。
互いの情熱を確かめたあとに話をする事が多い。
ミケが養父のハイエルフに拾われた時、一緒に猫も拾われたという。
「それで、養父は私にミケと名付け、猫にはシルバーと名付けたのよ。」
今日はそんな話をしていた。
「お茶が飲みたいよ。」
レイカさんが、いつもの様に虚空に呟いている。
やはり貴族らしさが滲み出る。
自分はお茶というものは高価な飲みものだとしか知らない。
夜
「まわる水車亭」の入口から変わった人物が入ってきた。
黒髪のおかっぱ頭で、大地母神の見習い神官服。
年齢はレイカさんと同じぐらいに見える少女。
そして腰には湾曲したリザードマン刀を佩いている。
長さは体格に合わせたのか標準的な剣より少し短い。
あわてた様子で店内を見回し、やがてこちらに気がつくと急ぎ足で近づいてくる。
「レイカさん。夜分すいません。」
「レイカさんは今日神力使われましたか?」
突然の出来事にレイカさんはびっくりした顔をしている。
「どうしたのアヤメちゃん?」
「今日はショッピングしか、してないよ。」
「では、すいませんが大地母神殿に同行お願いします。」
「詳しい事は途中お話しします。」
レイカさんがミケの方を見る。
「夜中になるようなら、神殿に泊めてもらいなさい。」
レイカさんとアヤメと呼ばれた少女は慌ただしく宿を出て行った。
「6人部屋に、2人きりね。」
ミケはそう囁いた。
冒険者の楽しみと言えば、飲む、打つ、買うが一般的ですが、もちろん個人差あります(笑)。
私の黒歴史がまた1ページ。




