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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第3章 初仕事

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返して

冷夏視点です。

レイスは通常武器無効、簡易付与魔法武器無効、

魔術耐性ありなどの強敵です。

「返して。」

声がする。

「返して。」

声がする。


「マドウ?何?まだ眠いよ。」

マドウからの返事がない。


今日は酷かった。

腐乱死体って初めてみた。

しかし、そのあと見た死体はもっと酷かった。

ミケさんが「まだそんなに時間経ってない」って言ってた。


あの綺麗な金髪のポニテの女の子が人間の尊厳を奪われて死んでいた。

異世界でも尊厳の考え方はあるでしょ?

……マドウ?


「返して。」

マドウ?

「返して。」

マドウ?何を返して欲しいの?


「私の純血、私の生命、私の内臓。」

え?

(冷夏!起きろ!)


首を絞められている。

寝ている私の上に逆立ちする様にシースルーのリーンさんがいて、私は首を絞められている。


苦しい。声が出せない。

「貴女は何故持ってるの。」

「純血、生命、内臓、貴女は全て持ってる。」

「私にはもうないのに。貴女は何故全てを持ってるの。」


(祈祷をしなかったのが、まずかった。)

(魅入られてレイスになるとは……。)


苦しい。命が吸われてゆくのがわかる。


デグさんが飛び込んできて、斧を横薙ぎに振るう。

シースルーなリーンさんをすり抜ける。


「無駄よ。そんなもの効かないわ。」

リーンさんが優雅ささえ漂わせた声で言う。

「そこでこの娘が死ぬのを見ていなさい。」


苦しい。

「マドウ……契約終了しそうだよ。」


「レイスには神聖付与武器しか効かない。」

「デグ!死神の加護を祈れ!」

「お前の聖女が死ぬぞ!」


ミケさんの声が、どこか遠くから聴こえる。

苦しい。

あの病室の時とは違う。

あれ?

また違う声がする?

〘そなたは闇には還らない……永遠に彷徨う……〙


「レイカ!」

デグさんの叫び。

リーンさんの悲鳴が聴こえた様な気がした。

あたりが暗くなる……。



気がつくとデグさんに抱きしめられていた。

デグさんが号泣している。


蘇生(使2残0)

使用条件接触。

〘正直者には褒美を与える事にしているのです。〙


「むぅ。痛いよ。骨が砕けそうだよ。」

私がようやく話すとデグさんが驚いた顔をしている。


いつの間にか他の皆んなもいる。

もう一度抱きしめられた。

だから苦しいって。

恥ずかしいし。




〘口の悪い魔導書。あなたがついてながら、レイスごときに付け入られるとはどうゆうことでしょう?〙


(面目ない)


〘私の聖戦士がいなかったら[永久の神]に盗られるところでしたよ。〙


(面目ない)


〘アンインストールされたくないなら、もう少し……〙


(これは長くなりそうだ)


〘聞いてますか魔導書……そもそも……〙

[蘇生]は[復活]とは違います

心肺停止を癒やすのが蘇生

死亡から再生させるのが復活


私の黒歴史がまた1ページ。


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