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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第18章 竜の巣語り

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聖女の帰還

冷夏視点です。

お久しぶりです。

「お師匠様おかえりなさい」


今日帰る事は事前に通信していたので、レイカルさんが待っていてくれた。

他の[竜の卵]の面々は[魅惑の伯爵夫人]で待っていてくれると言う。


「本当は[竜の卵]もここで待つ予定だったのですが、依頼が入ってしまいこちらには来られなかったのです。」


確かに3ヶ月も居なかったのだから、他のメンバーも依頼は受けるだろう。

私の代わりにはレイカルさんが入っていたらしいので、問題はないらしい。


(レイカルがいるからと、[竜の卵]から、お払い箱にならぬと良いな)


それはちょっと怖いぞ。マドウ。

正直、少し気にしてるんだから。


「大丈夫ですよ。お師匠様。お師匠様に替えはおりません。」

そうだレイカルさんはマドウとの念話も聞けるんだった。


「?、また深度が上がってますね。」

そう言うと目を合わせてくる。

うーん、美人で清楚で淫靡。

恐るべしだな。


(確かに今、レイカルは、神力56、魔力は700になった。恐るべき魔獣だ。)


「そんなに警戒はしないで下さいマドウ様。大魔導書の貴方様の方がよほど世界の脅威なのですから。」


むぅ。それって契約者の私込みなのかな。レイカルさん。


☆☆☆


「レイカル様、こんにちは。あ、[聖女]様も。」


「レイカルさん。ご機嫌よう。あら、[聖女]様も。」


大神殿の廊下を歩いていると、すれ違う神官達がレイカルさんに挨拶をし、ついでに私にも挨拶してくれる。

うーん、流石に珍獣聖女熱冷めたかな。

良かった。


「お師匠様は南の島に里帰りをしていたと広めてあります。店までは馬車も用意してますよ。」


レイカルさんは普通に話すが、ふと気がつく。

あれ?レイカルさんって神殿に凄く馴染んでない?


「それについてはデポ様に感謝です。下級神官に留まる事を条件に神殿に勤める事許可して下さいました。」


「もちろん、お店に臨時で入る事もありますけど。」


良く見ると聖印に下級神官紐の他に薬師紐が通されてる。後、謎の橙紐も。

うーん、薬師資格取ったんだ。

でも、何故下級神官が条件なんだろう?


(神官になると[歩き巫女]資格が取れる。そうすると基本的には世界の何処へでも単独で自由に旅出来る様になる。デポも流石にハルピアからは出したくないのだろう)


[聖女レイカ]様!」

と、リリさんが走ってくる。

神官戦士長らしく帯剣しているが、走るには邪魔見たいだ。


「リリ様は最近、アウト様とちょっと良い雰囲気なんですよ。秘密ですけど。」

レイカルさんが小声で囁く。

むぅ、やるなリリさん。


[聖女レイカ]様。いつお戻りに?」


「さっきだよ。魔術で跳んできたから」

そう、四半刻前には遠く鈴木島にいたのが、今はハルピアの大神殿。

改めて魔術って凄い。


(今更だなレイカ)


「少し待てますか。わたくしも[魅惑の伯爵夫人]に参ります。」

私がレイカルの方を見ると頷いた。


「4人用馬車にしてあります。」


うーん、私の上位互換だけあるぞ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「おかえりなさい〜」


馬車から降り店に入るとデポさんが迎えてくれた。


「心配したっす。」

「ご無事で良かっタ。」

「レイカ……」

茶殻さん、ルチェさん、デグさんもそれぞれ駆け寄ってくる。


「戻ったよ、みんな。心配おかけしました。」

私は一礼する。


みんなに囲まれたまま踊り場の[竜の巣]まで移動した。


「レイカさん〜ラーメンが〜出来ましたよ〜」


島に行く前の研究完成したんだ!

私の隣にレイカルさんとリリさんが座った。


「今日は私はこちら側だそうです。」

「この棒でどうやって食べるのですか?」

「棒ではなク、箸でス」

「デグもフォークにするっす。箸が折れそうっす。」

「ラーメンとは?」


テーブルは運ばれてきたラーメンを前にざわついている。


「食べながら、お師匠様が居なかった時のお話しますね」

レイカルさんが話始める。


(騒がしい街に、帰ってきたな)

私もそう思うよ、マドウ。


レイカルさんを通じて、ハルピアでラーメンが大流行するとは、この時全く思っていなかった。

明けまして、おめでとうございます。

複数投稿出来る程、筆が早くないので、また間が空きます。

今しばらくは[遺跡探索2]をお楽しみ下さい(宣伝)。


私の黒歴史がまた1ページ。

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