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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第17章 聖女の不在

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鈴木島

冷夏視点です。

短めです。

私は結局、その後3ヶ月を島で過ごした。

もちろん、デポさんらには帰還が遅くなるって電信送ったけど。


祭りの翌日、花江ちゃんが大地母神の啓示を受けたので、水江さんに神官教育を請われたからだ。

館の礼拝室を簡易大地母神殿として整え、神官の基礎知識を教えたりしていたら、帰るのが遅くなってしまった。


花江ちゃんは私の二番弟子。

神力も8あるから、水江さんの医術、薬学と合わせれば、神官が足りないとはいえ、この島の医療体制は大きく前進するだろう。




そういえば、脅威だったゴブリン達は内紛を始めた様だ。

最初の頃はハグレゴブリンが畑を荒らしに来ていたが、最近では姿を見る事が無くなった。


「またダークエルフが流れつかない限り、問題はないでしょう。」


水江さんが東と北の村長さんと自警団長さんとの月例会議で話していた。

私は領主として会議に出ていたけど、以前は北の村は月例会議に来ることが稀だったそうだ。


「聖女様の威光で統治しやすくなったって、お義母様が話してたよ。」


うーん、それは私では無く、神官の花江ちゃんと赤左衛門のお陰じゃないかな?



赤左衛門は現在()()()()になっていて、東の村をメインに森や北の村を夜間は自由に散歩している。

ゴブリンに対して、その抑止力は半端ない様で、ゴブリンの姿を見ないのは赤左衛門のパトロールの賜物だろう。


赤左衛門は昼間は花江ちゃんに懐いていて、花江ちゃんが外にいる時は大抵一緒にいる。

一度、花江ちゃんへの講義中に窓から、こちらを一心に覗いていたのには、びっくりした。

目が合うと、何故か気まずいんだよ。


☆☆☆


夜明け前の早朝。

ラボ。


「礼拝室を簡易神殿にしてありますので、ご帰還は何時でも大丈夫です。」


水江さんが、少し気まずそうに告げた。

礼拝室に物を置き、花江ちゃんに「礼拝室に余計な物は置かないで」と釘をさされたらしい。


「…………」


赤左衛門が、そのうち花江ちゃんとハルピアに遊びに行くと伝えてくれたが、大丈夫なのだろうか?


当の花江ちゃんや村人さん達とは昨晩の内に、ささやかな別れの宴を開いて旅立つ事は伝えてある。


その宴では私が、魔族じゃない事が、いつの間にか皆んなに知られていた事がわかり驚かされた。


「この狭い島じゃ、隠し事は出来んだべ。」


「北の村の連中は、『槍で突かなくて良かっただ』と笑ってた。」


島の生活は綺麗事を許さないぐらいに厳しい。

ただ、そんな中だからこそ、見えてくるものもあった。


「ハルピアに戻ったら、花江ちゃん用の神官教本と正規の神官紐送るよ。魔族郵便は離島でも定額で荷物送れるんだよね。」

魔族は支配地域なら一応、郵便制度が

確立されている。


必要な切手を貼れば、個人で人を雇わなくとも手紙や荷物が送れるそうだ。

魔族の主要都市間に、かつて軍事用に整備された荷物用魔術のゲート網が、ある程度生きていて、郵便にも開放されているらしい。


「はい、ゲートはないので、時間はかかりますが……。こちらからも[魅惑の伯爵夫人]宛に、お手紙出してよろしいですか?」


水江さんから尋ねられ私は「もちろん」と頷いた。


(そろそろ行くぞ。陽が昇り、大気にある月の魔力が失われる前に……。)


マドウが急かしてきた。

大気に魔力がある方が転移はしやすくなるそうだ。

理論は分からないけど。


私は空間転移の大魔法の詠唱を始める。

行先はハルピア大神殿にある[聖女の間]

何故かリリさんが管理している小部屋で、聖印と毛布が置いてある部屋だ。


「[聖女]様、また、いらして下さい。」

「…………」


水江さんと赤左衛門が見送る中、私は空間を飛んだ。

この章はこれで終わりです。

ご感想や評価など、よろしくお願いします。


次は外伝を挟みたいのですが、別タイトルで別投稿にするか、続けて書くか迷ってます。

別投稿の場合は、この投稿は更新少し開くかもしれません。


私の黒歴史がまた1ページ。

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