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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第3章 初仕事

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馬鹿な男

ミケ視点です。

ゴブリンには、溺れている人間は簡単に手に入る食料に見えます。


東1地区を巡回して2日。

冒険者の野営準備跡を見つける。

ゴブリンなどに踏み荒らされた感じはない。

状況からして[至高神の剣]のものだろう。


(食料と金目の物が持ち去られている。)

内紛かもしれない。

だが、それなら誰かしら村に戻ってくるはず。

殺した相手は[事故死した]で済む話なのだから。


「何かわかるか?ミケ。」

仲間に訊かれる。

説明しようと口を開きかけた時

「死体がありました。」

赤毛の報告が入った。


酷い臭いと飛び回る蝿。

転生者は祈祷をしているが顔色悪い。

赤毛は池を見て思案している。

池に浮かぶ膨れた死体を回収したいのだろうか?


「死体が3つ。しかも女のは、どうやら内臓が喰われている。」

「何かが這った跡もある。」

「残り2人は行方不明、いや連れ去られたか……。」

仲間が言う。


「あの、地面に文字が……」

祈祷を終えた転生者が地面を指さしている。

死んだ魔術師の手元。

〔スキュラ〕

そこにはそう書かれていた。


「魔獣スキュラ。」

「水陸双方で活動出来る上半身が人間の女性、下半身が複数の蛇と触手の化け物。」

「蛇と触手で戦う他、魔獣らしく[中魔法]も使う。」


私の説明にパーティーメンバーは聴き入っていた。

転生者は「ウイキみたい」

と言った。転生者特有の表現か方言だろう。


「生息数は多くない。」

「肉食で手に入れば人間も食べるが主食は手に入りやすいゴブリン。」

「人間の上半身で獲物を誘い近づいたところを捕食する。」

「15〜20年に1度繁殖期になると、雌雄同体になり、自家受精で増える。」

「近づかなければ、無害な魔獣。」


「それが馬鹿な男は近づいちまうんだよ。」

仲間が笑いながら言う。


「溺れてる女の子は助けに行っちまう。服着てようが裸だろうが関係ねぇ。そうだろデグ?」


何故か禿頭は頭のてっぺんまで赤くなっている。

転生者はいつもどうり交信中。

愚かさは男もゴブリンも大差はない。


「さて、日が暮れる前に、この跡を追ってゆこう。油断はなしだ。」

仲間の言葉に全員頷いた。

私の黒歴史がまた1ページ。

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