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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第17章 聖女の不在

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オリハルコン

視点冷夏です。

短めです。

(レイカ、その新しい聖印に魔力を通してみろ)


封印を解く鍵を探す為、一人ラボに戻った私にマドウが提案してきた。

えーと、こうかな?

花江ちゃんと交換した青鈍色あおにびいろの聖印に魔力を注ぐ(使1残68)。


(違う、注ぐな!通すだけで良い!)


え?


「むぎゃ!」


私はぐるんと回り()()に背中から落ちた。


(言わん事ではない。その聖印はオリハルコンだ。魔力を軽く通せば浮くし、流せば飛ぶ)


「先に言ってよ!マドウ!」

空中に浮きながらマドウに文句を言う。

しかし首に下げた聖印で全身が浮くのは不思議な感じだ。

まぁ、そうでなくては縊死してしまいそうだけど。


(魔力の発生源がレイカだからな。レイカごと浮く。誰も居ないし、しばらく練習したらどうだ?)


うーん。


それから半刻いちじかん程すると、前世で見た宇宙世紀アニメのハンガーの中みたいに動ける様になった。

それに膝を抱えて浮いている事も。

その映画では主人公の敵役の彼女が戦いに夢中になる彼を廊下で浮いて待っていたのが印象に残っていたから、真似してみたかったんだよね。

彼は居ないけど……。


それにしても、あちこちぶつけたから、アザだらけだ。

神聖魔法で治さない限り、数日は痛むだろう。


(宇宙?レイカ、喩えが良くわからないが?)


マドウにはロマンがないからわからないと思うぞ。


☆☆☆


「さて、マドウ。この味噌樽開けないと。何かヒントはない?」

オリハルコン移動法の練習を終え、赤味噌ではなく、赤左衛門の入った樽の前で考える。


(うむ、考えていたのだが……。多分単純に魔力を通して、レイカが『開け』と言うだけではないか?)


ん?なんで?


(その聖印と共にレイカはこの島の主となった。当主のみが開けられるとした封印なら条件は整っている。)


「まさかぁ?」

そう言ってなんと無しに樽に魔力を通し、開けと念じた。

魔力を通すという感覚はオリハルコンで掴んだばかりだったから、なかば無意識に出来た。

いや、出来てしまった。


「現在の主の命により、過去の主に封印されし魔獣の封を解きます」


え?

滑らかに合成音声が流れ、樽の蓋が消えた。

中から水が溢れて、赤い丸い魔獣が浮かび上がってくる。


「赤左衛門!?」

私が咄嗟に叫ぶと、合成音声がまた流れる。


「[赤左衛門]登録しました。[赤左衛門]起動します。」


(レイカ……。もう少し慎重さを身につけた方が良いと思うが……。)


え、え、ちょっとマドウ。

そうじゃないでしょ!


そんなことをしている間に樽から出た赤茶けた球は、先ず三角形の二つの突起を立てた。

採用されなかった新幹線のネコミミブレーキの様に。

そしてその後[魔獣左衛門]の最大の特徴である瞳を開いた。


「…………」


むぅ。目が合ったぞ。

どうしようマドウ。

随分昔、千葉県松戸市にあったガ◯ダムの等身大展示に行った事があります。

そこが目的ではなく、たまたま松戸に寄ったついでだったのですが……。

狭いビルの中の展示でしたが、それがかえってハンガー感があったのを記憶しています。

手摺りを越えて跳べばコックピット近くに行ける様な感じでした。(もちろん無重力ではないから無理ですが)



私の黒歴史がまた1ページ

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