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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第3章 初仕事

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34/385

ついで

ジグ視点です。

その頃の[五芒星]は……。

西地区の1区を3日で巡回して村に戻った。

最初の西2区もそうだったが、ゴブリンを見かけても、ゴブリンが逃げてゆくため、戦闘にはならなかった。



夕方。

村に近づくと村人達が挨拶をしてくれる。

口々にレイカ様と声をかけてくる。


子供達が走ってきて弟にまとわりつく、弟は子供達に人気の様だ。

「デグ、オーガ、デグ、オーガ、」

と子供達が言う。


「レイカさんは村人の病を銀貨1枚で癒やしたそうですよ。」

「それにデグさんはオーガごっこと言う遊びで人気だそうです。」

隣りのミケさんが教えてくれた。

教団の定価の1割程。

レイカさんを拾ったのは本当に幸運なことだ。



夜。

村長宅にロバートさんと一緒に呼ばれた。


「最初の東1地区巡回から[至高神の剣]が帰ってきてません。」

村長が暗い顔をして言う。


確かに西2区から戻った日にも

姿は見なかった。

1日ぐらいの遅れは不思議ではないが、1度も戻らないは異常事態だろう。


「もし良ければ、巡回ついでに[至高神の剣]がどうなったかの報告がもらいたいのですが。」

村長が続けて言う。

自らが仕向けたところがある故に村長も気がひけているようだ。


「巡回ついで。で、よろしければ承ります。」

ロバートさんは、ついで、を強調する。

調査に追加報酬を支払う気持ちがあるか?

を村長に暗に問うている。


村長は「ついで」で結構です。

少しの逡巡の後答えた。

根っから悪い人ではないのだろう。

ただ予算がないだけだ。


村長宅からの帰りに

「誰も帰らないは、ちと不味いな。」

ロバートさんが独り言の様に言う。


「やはり、喰われたんですかね?」

自分の問いに

「だろうな。だが全滅しちまう面子には見えなかった。こちらも、油断は禁物だ。」

そう答えがくる。


どんな化け物なのだろう。

彼らはどんな死に方をしたのだろう。


「村人のかわりに冒険者を喰わせよう。っていう割には村長凹んでただろう?」

「覚えておけ、普通の人でも、必要なら殺しにくるんだ。」

簡易宿舎が見えてきた。


「そういやぁジグ、ミケとはもう寝たのか?」

「チャンスはあっただろう?」

いきなりロバートさんが話題をかえた。


「え、いえ、ありません。」

確かにミケさんの事が気にならないはずはないが、そんな関係ではない。


「ロバートさんこそ、ミケさんとはどうなんです?」

それに、2人の関係が気になっていた。


少し間を開けたあと

「知り合ってすぐには何度か寝たよ。」

「でも、今はない。」

ロバートさんはそう話した。


「悪くはなかったんだが、どうもな……見透かす様な眼をするんだ。」

「それが嫌でやめた。」


ロバートさんが軽く、肩を小突き宿舎に入ってゆく。

「冒険者稼業に支障出なきゃ、そこらへんは自由だ。惚れてるんだろ?上手くやれよ。」


ミケさんが笑顔で、自分達を迎えてくれた。

ついでと言って、タダで仕事させようとする人いますよね?

サービスを売る仕事では特に。


私の黒歴史がまた1ページ。

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