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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第17章 聖女の不在

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図書館の幽霊

視点は まぁわかるかと……。

わからなくても、問題はない内容です。

 私は、いつもの様に大地母神殿に忍び込んでいました。

お師匠様に学び天啓を得たものの昼間は働いているので神殿には通えないからです。

オーナーは、「もし神殿に入りたいなら、必要な資金や身分は用意する。」と言ってくれていますが、今はまだオーナーの庇護下に居たいと思ってます。

だから私は毎夜、大地母神殿に忍び込み図書館で本を読んでいます。

灯りはなくとも問題はありません。

暗視が私にはありますから。


 そう神殿に入るにしても、お師匠様の様に特別な人で無ければ身分や寄付金が物を言います。

もちろん才能があればですが。

まず神官になりたいなら、神力を測定してもらう必要があります。

最低限でも4は必要で3以下だと、神官見習いにもなれません。

これは才能の部分なのでどうにもならないのですが私はお師匠様のお陰で問題なかったです。


 神官見習いになったなら平民は髪の流さが制限され[おかっぱ頭]と言う髪型にされます。貴族は髪の流さは自由ですがそれでも髪は括らなくてはなりません。

そして、聖印と茶色紐をもらいます。


 そうそう、もう一つ大前提がありました。

大地母神教団で神官になれるのは女性だけで、男性は[聖戦士]にしかなれないのです。

これは大地母神様が決めた事で、なぜだかはわからないですし、本には様々な学説があります。

聖戦士は聖印と神官戦士と同じ白紐を身につける決まりです。

また神殿に住み込み修行で入るなら身体検査されますが、あまり厳密ではない様です。

ですから、これを悪用して成年前の[訳アリ]貴族の子弟を神殿で匿うなどは稀にある様です。


 次に神官になる重要なステップに[啓示]があります。

これは眠っている時に大地母神から授けられて、神聖魔法が使える様になる事です。

その際に神から神言を一言貰えるのですが、大抵は覚えていないそうです。

お師匠様は覚えているそうですが、教えてはくれません。

〘あら、冷夏ではなかった。ごめんなさいね〙

が、私への最初の神言だったので似たようなものかも知れません。


 ちなみに私は休眠している時に啓示を受けました。

魔獣は眠らないとされていますが、眠らなくても平気なだけで、眠りに近い休眠は取れます。

休眠中は魔力消費が抑えられるので便利ですが、危険への反応が鈍くなるので一長一短だったりします。

ですから、最近はあまり取りません。


 啓示を受けると、簡単な儀式と試験を経て、平民は下級神官、貴族は神官に任じられます。

見習いの茶色紐から下級神官は薄緑紐、神官は緑紐に変わります。


 下級神官以上は簡易神殿が開設可能になるため、平民はある程度実務を積んだら、この時点で神殿を出てしまう事が多いそうです。

啓示を受ける前に薬師資格の紫紐も取っておくのが、なお望ましいと本には書いてありました。

だから、ある程度栄えた農村にある簡易神殿には薄緑と紫の二本紐を聖印に通した神官がいるそうです。

いつかこの目で見て見たいと思ってます。


 そう言えば、先日お店にお師匠様を訪ねて来た上級神官は神官戦士長との事で紐を3本通していました。

上級神官の濃緑、神官戦士である白、役職の長の証である青紐。

お師匠様も歩き巫女資格の桃、上級神官の濃緑、聖女の京緋色の3本をつけていたのですが、2人共に紫紐だけのリザードマンを羨ましいがっていたのは少し笑ってしまいました。


 2人共に竜の巣で勉強するなら、この図書館に来れば良いのにと思います。

それに青紐の方が大神官の黒紐になるかも知れないとオーナーは教えてくれました。


「だ、誰か居るの?」


 見回りの白紐、おかっぱ薄緑の2人組が声をかけてきました。

どうも、本に夢中になりすぎたそうです。


()()()()()()()()

[透明迷彩](使1残589)


 オーナーに習った返事をした後、魔術を使い姿を消します。

続きは、また明日にでも読む事にしましょう。



「[大地母神殿規則]、[歩き巫女読本]、勉強家の幽霊ですね。貴女達も幽霊を見習い勉学に励む様に。実害はない様ですから、積極的退魔は見送りますが何か異変があれば、報告する様に」


神官見習いへの講義の最後に、教育神官が告げて教室を出て行きました。

「うーん、大地母神殿に潜伏の男の娘は美少年限定だぞ。それに誰もいないなら、返事はしないと思うけど……」


「そういえば、そうですよね?オーナーにならったのですが?」


(古魔族なら追手を、その様に煽る気がするが?)

「むぅ」


私の黒歴史がまた1ページ

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