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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第16章 西へ

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血祭り

雫≒茶殻視点です。

気分悪くなる方もいるかもしれません。



魔都ハルピアの片隅の森に、その神殿はあった。

シンデレラの情報によれば30人ばかりの至高神原理主義者が共同生活をしているという。


その教えは至高神以外の信仰を認めず、他の神の信者には改宗を迫り、妖魔神や永遠の神の信者は処刑すべしという過激なものだ。


転生者は妖魔神の遣いとして、同じく処刑すべしと考えられており、他の至高神教団からは使い勝手の良い暴力の下請けとして考えられている。


さて、どうするか……。

正面から斬り込んでも楽しそうだが、忍び込み、証拠を探して金の流れを辿れば冷夏を殺そうとした黒幕が分かる。

30人の人間が祈り、食べるにはスポンサーが必要だからだ。


仕方が無しにコインを投げた。

表なら斬り込み、裏ならば忍び込み。

果たしてコインの結果は表。

楽しい夜になりそうだ。


まずは忍び時に着ける白仮面を着ける。

妖魔神官の神官着に着替え、手甲、足甲、鉢金を着けた。

最後にシンボルを首にかけると篝火の焚かれた正面にゆっくりと歩みを進める。


2人いる門番の1人が誰何してきた。

「警告する!薄汚れた妖魔神官、ここは神聖なる至高神の神殿。それ以上近づけば殺す!」


[竜加速](使1残5)


竜力を開放し踏み込み抜刀しながら1人を斬った。

返す刀でもう1人も斬る。

他愛もない。

私は堂々と神殿に侵入した。


☆☆☆


[竜暗視](使1残4)

節約の為か灯りのない回廊を巡り、斬るべき相手を探す。


既に門番の交代詰め所で寝ていた2人と夜半の祈りの準備をしていた2人は斬った。

余りに、ゆっくりし過ぎていて本当に裏仕事を請け負う宗派なのか疑いたくなる。

この前返り討ちにした暗殺者アサシンの様に外注がメインなのかも知れない。


部屋から数名の神官達が出てきた。

ブツブツと夜半の祈りの当直の事を責めている。

竜力を使うまでもない。

間合いを詰め斬り込むと全員撫で斬りにした。

残り20名弱。

まだ侵入に気付かれてない。

このまま虱潰しに斬って回れば簡単に片が付きそうだ。


と、

[火球](使1残4)

後から魔術が飛んできた。

私が飛び退いて躱すと壁にあたった火球は破裂し辺りに炎を撒き散らす。

詠唱が早いから正魔術師なのかも知れないが、周りが見えていない。


「イェアエア!!!」

勘付かれたなら、もう無音である必要はない。

仮面により籠った音にはなるが、竜叫流の掛け声と共に踏み込み術者を斬る。


「イェアエア!!!」

「イェアエア!!!」

「イェアエア!!!」

出て来た者を戦闘員、非戦闘員にかかわらず片端から斬る。

自然と笑みが溢れた。

この肉体はなんて素晴らしいんだ。


「この邪教徒めが!」

「私は連れて来られただけで……」

「お、お助けを!」


異なる神を信仰していただけで、逆の立場に立たされた者達を数多く見てきたし、慈悲をかけても復讐の種を撒くだけ。

内なる声がもう頃合いだと、告げてくるがもう少し殺戮を楽しみたい。


が、

治安傭兵の呼子の音がする。

いつの間にか燃え広がった炎が神殿を包み始めていた。

確かに頃合いだ。


[竜飛翔](使1残3)


壁を飛び越え、森の中を走る。

20名強しか斬れなかったし、手応えのある相手には遭遇しなかった。

だが、冷夏に暗殺者アサシンを向けた黒幕には警告になるだろう。


今日は、このまま郊外の妖魔神殿に世話になるつもりだ。

と、いうより港の酒場で飲み過ぎた茶殻は今でも妖魔神殿の離れで寝ている事になっている。


今宵は楽しかった。

そろそろ茶殻を起こす事にしようか。

私の黒歴史がまた1ページ。

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