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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第16章 西へ

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紹介状

冷夏視点です。


鈴木冷夏 転生者にして、大魔導書との契約者。3つの教団から聖女の称号をもらうも自覚は薄い。


デグ 冷夏を聖女と慕う大地母神の聖戦士。兄の仇を探している。


茶殻≒雫 盗賊にして、竜叫流の剣士。さらに妖魔神の闇司祭。そこに精神憑依体の忍者が取り憑いている欲張りセットな竜人。スラム訛で喋る。


マドウ 冷夏と契約している魔導書。女神によりスマホ内の電子書籍となっている。

うーん。


ハルピアにある[魅惑の伯爵夫人]

踊り場にある指定席、通称[竜の巣]で、私はスマホの計算機アプリを叩いている。

ロバートさんの所でブレナさんと茶渋と別れ、パーティー資金を精算した。


その後大司教から[魅惑の伯爵夫人]にある[竜の卵]の口座に入金があり、それぞれの魔術師ギルドの口座に振り分けの計算をしている。


そう、今の[竜の卵]は3人。

そして珍しく3人共に魔術師ギルドに口座がある。

珍しいというのは、この世界では口座の開設は基本法人だからだ。


私は大地母神殿に[聖女]認定された時。

デグさんは伯爵から下級騎士に任命された時。

褒美の一環として、口座が開設された。

そして茶殻は以前から口座を持っていたらしい。


(あのシーフのいや、忍者の方の口座は裏口座であろうな。)


マドウ、前世の漫画で「スイス銀行の秘密口座に……」とかのシーンがあったけどそんな感じ?


(良くわからない例えだ)

マドウには難しかったか……。


「お茶をどうぞ。サービスです。」

2人分のお茶を持ってきて、私を模したドッペルゲンガーのレイカルさんが目の前に座った。

お茶は銀貨1枚はするから、大盤振る舞いだ。


私を模したと表現したが、レイカルさんは魔族で髪型も違う。

そして何よりスタイルと色気が抜群に違う。

オリジナルのはずな私の方が完全に下位互換だ。


「(記憶をコピーさせてくださいね)」

小声で囁かれたが、同性なのに背中がゾクっとする。

そして一瞬視線を合わせられた。


(冷夏よ、神力48、魔力600、[荷電魔粒子砲]、完全な戦略級の魔獣ドッペルゲンガーになったが良いのか?)


いざという時、力になってくれる約束なんだよ、マドウ。


「(ご心配なくマドウ様。この件はデポ様にも秘密です。わたくしと冷夏様だけの秘密。)」


レイカルさんが妖艶に笑う。

階下の男性陣の溜息が聞こえた。


「レイカルと向かい合いでお茶が飲める権利なら銀貨300枚ぐらいでも売れそうですよ。デポ様」


蒲公英たんぽぽさん〜うちはそういう店では〜ありません〜冒険者の店です〜」


そんな風に過ごしていると、1人のリザードマンが店に入ってきた。


「この店に[竜の卵]が泊まっていると聞きましタ。紹介状もありまス。話をさせてくださイ」

うーん?

誰だろう。


☆☆☆


「私は青の部族のルチェ。見ての通りリザードマンでス。魔術士をしていまス」


確かに魔術士っぽい杖を持っているし、どう見てもリザードマンだ。

だが、このハルピアでは思いあたる知り合いにリザードマンはいない。


「紹介状がありまス。」

そういうと1枚の手紙を差し出してきた。

うーん、和紙だ。

と言う事は[竜の島]からの手紙だろう。私はまるで果たし状の様な手紙を開けて見た。



拝啓

デグ殿、島では色々世話になった。

ブレナ殿がロバート伯の顧問魔術師になる件を聞き、後任の魔術士を推薦する。

聖女殿には貴殿からも口添えをしてもらいたい。

敬具 紀一刀

追伸

既に太守の護衛兼監視が付いているとは思う。

信用に足る人物だが、気をつけられたし。



(どうやらロバート伯が先読みをして動いていた様だな)


さすがロバートさん、一枚上手だよ。

うーん、でも私の一存では何とも言えないなぁ。


(いや、逆にレイカの一存で決まるだろう?)


「私の魔力は6ですガ、杖に魔力を込めてありまス。魔術師ギルドではなく私塾出の魔術士でス」


ルチェさんがアピールしてくる。

うーん、困ったぞ。


「デポさんに相談すれば良いっすよ。そこら辺は冒険者の店のサービスっすから。」

そんな声と共に茶殻が帰ってきた。

デグさんも一緒だ。


「なので、リザードマン殿、今日はお引き取り願うっす。紹介状は誰からのっすか?」


「デグ宛に、一刀さんからだよ。」


「あっし宛じゃないっすか?」

そういえば兄妹弟子の茶殻宛じゃなくデグさん宛だ。


「紹介状は自分が預かる」

デグさんが呟くけど、文字は日本リザードマン語だったから、デグさんには多分読めない。


(レイカが読むにしろ、チャガラが読むにしろ牽制にはなる。文とは他人に読まれる可能性も考えて書くのだ。メールとは違うのだぞ?)

説教くさいよマドウ。


ルチェさんはテーブルから離れたが、この宿に泊まるらしい。

カウンターで料理を頼んでいた。

リザードマン訛は語尾がカタカナ

スラム訛はスづけ

しかしリザードマン訛は変換が面倒ですので、オススメしません……。

デポは魔族訛ではなく歌う様に喋ると設定変えました。


私の黒歴史がまた1ページ

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