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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第3章 初仕事

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30/385

裏条件

ジグ視点です。

金属鎧は部分鎧でも高額品です。

もちろんフルオーダーです。

トキソ村に着くと村の集会所に案内された。

そこには先客の冒険者がいて、自分達の到着を待っていた。


どうやら街道から外れているこの村に宿はなく、集会所が簡易な宿泊所に使われているらしい。


村にいる間は食事が提供されるそうだが、普段来客がない村で余所者出される食事は期待出来ない。


「リーン・ベルク・アンセム」

真っ直ぐな金髪をポニーテールにした少女が自己紹介をしてくる。

「[至高神の剣]のリーダーをしている。」


真新しい片手半剣と革鎧、ただ胸当て部分は金属。

これみよがしに至高神のシンボルを身につけている。


「ロバート・ノウル[五芒星]のリーダーだ。」

ロバートさんが返事をかえす。

珍しく、いかにも関わりたくない感が出ている。


「ハーフエルフづれで、ゆっくり到着とは、見た目によらず、良い御身分なようだが、我々の邪魔にならない様にしてほしい。」

「巡回地域の受け持ちは村長に聞くが良い。行くぞ!」


勝手な事を言い[至高神の剣]の5人は出て行った。


自分はミケさんの方を見たが気にした素振りもなく視線が合うとウインクをしてきた。顔が赤くなりそうだ。


「どう見る?ジグ。」

ロバートさんに聞かれ、見たままを答える。


「あのリーダーはそのまま、至高神の神官戦士、隣にいた短髪で短弓小剣装備の女戦士はその従者。」

「髭面の大剣装備は傭兵上がりっぽいので護衛、杖を持っていた若いのは学院出の正魔術師、最後の短剣装備は下男でしょう。」


「まぁ、そんなところだろう。俺は村長に会いにゆく。お前も来い。」


「う~んと、ロバートさん。ミケさんへの誤解解かなくて良いんですか?」

レイカさんが困惑したように訊く。


「ミケは見た目、魔術士には見えないだろう?だから、ああいったのはよくある話なんだ。」

「それにレイカ、冒険者どうしは状況により殺り合う事もある。手の内を明かしてやる必要はないさ。」



村長は黒髪の中年男性でロバートさんを見るとホッとした表情を見せた。

確かに、いかにも良いとこのお嬢様がリーダー努めている冒険者よりも安心するだろう。


話を聞くと村の南部に広がる湿地帯には、ところどころに池や川があり、たまにゴブリンが出るそうだ。


それで、ゴブリンの縄張りにならぬ様に伯爵様に願い出て定期的に冒険者を派遣してもらうのだと言う。


「で、他には?」

ロバートさんが村長にきく。

「予算は伯爵様と折半かもしれないが、ゴブリン退治に冒険者二組は多い。」


「それに村人だって、ゴブリンぐらいなら、数さえいなきゃ対処出来る。」

「理由を教えてくれ。」


村長は渋ったが、やがてポツリポツリと話しはじめた。

実は15〜20年の間隔で、人喰い化け物が出現するらしい。


するらしい、と言うのは正体を誰も知らないからで、ゴブリンだって人を喰う。

が、狩猟してまで喰う訳ではないので、何かがいると考えてられている。


そして、その化け物は必ず女性を狙って喰う。

村長の姉も15年前に、湿地に薬草採りに出かけて、無惨な死体で発見されたと言う。


冒険者を雇う裏条件として

必ず2人以上女性がいる様にと指定したそうだ。


「ミケにはオレが話す。レイカには秘密だ。デグにはレイカを守れと改めて伝えてくれ。」


「さて、どちらのパーティーが当たるかな?」

ロバートさんはそう呟いた。

冒険者には依頼の裏取りが必要な時もあります。

冒険者は使い捨てありえますので。


私の黒歴史がまた1ページ。


投稿ペース落ちそうです。

よろしければ、コメント等お願いいたします。

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