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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第15章 王位と聖女

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結合

マドウ視点です。

スマホは振動を続けている。

しかし〘死神〙か……。

冷夏が電話番号登録していたとは思わないが、神ならば、さもありなん。

覚悟を決めて電話に出る。

対応を誤ればアンインストールされて終わりだろう。


「(むぅ!こんな事だろうとは思ってたよ。)」

予想に反して電話の相手は冷夏だった。

冷静ではあるが、ひどく怒っている。


「こんな事?」


「([契約深度]深まるとやっぱり乗っ取られるんだね、マドウ)」


「誤解だ、冷夏。」

契約に相手が耐えられない場合は別だが、正式に契約した相手を乗っ取ったりはしない。


まぁ契約者の死後、次の契約者が決まるまで損傷していなければ、肉体を借りる事はあるが。


「(それって死者への冒涜じゃないの?それに私は生きてるよ!)」


「必要悪だ。しかし、よく帰ってこれたな。」


「(おかげでラーメン食べ損なったけどね)」


???

良く分からない。

だが、大きな力の塊が自身の内部から湧き上がるのは感じられる。

やがて離れていた魂が結合された。


「返して貰うよ。マドウ」

冷夏が電話を切る。


(さもありなん。冷夏が戻ったなら冷夏の肉体だ)


「うーん、スマホ、マドウごと湖にでも捨てた方が良いかな?」


(勘弁してくれ冷夏)


静かな怒りは、まだ治まっていない。

そして今、冷夏は目を瞑っている。

死んでいた間の記憶を同期しているのだろう。


「もう!マドウの大魔法って、ぶっ放し系しかないの!鐘楼は燃えてるし、石畳は溶けてるし。」


([荷電魔粒子砲]はコンパクトな方だぞ。それにセット化して[設定]したから、今度からは消費魔力13で中魔法の様に詠唱なしで使える。便利だろう?)


「便利だろう?[ビームライフル]の何処が便利なの?」


(磁気や自転による影響ない様に[自動計算]入れたのが余分だったか?)


「そうじゃない!」


攻城戦で城門や城壁を破壊するには持ってこいなはずだが、どうやら理解出来ないらしい。

それに[ビームライフル]とは聞いたことのない概念だ。



「ここいらへんに飛んだのが見えたっすよ」


「お〜い、冷夏大丈夫か?」

茶殻と茶渋の声がする。


「おーい、こっちだよ。」

冷夏が手を振っている。

今居るのは神殿の屋根の上だ。


「気をつけて下さい。暴走している可能性が否定出来ません」


「レイカ!」

ブレナの声がし、デグが近づいてくる。


「暴走してないよ〜大丈夫だよ〜」


「酔っぱらいの大丈夫は大抵大丈夫じゃないっす」

冷夏を含めた[竜の卵]が笑っている。


[浮遊](使1残34)

屋根から地上にふんわりと降りた。


「マドウ、翼を生やす魔法ってないの?[飛翔]の燃費が改善するんでしょ?」


(仮想翼を生やす魔法はあるが、今の服のままでは、服の背中が裂けるぞ。それでも良いか?)


「むぅ、良いわけないでしょ!マドウって常識ないよね」

うーん、冷夏には言われたくなかった。


「大丈夫か、冷夏。その……やっぱり」

茶渋が冷夏を疑っている。


「大丈夫だよ。少しハイになってたけど、今は冷静だよ。」

茶渋の問いに、冷夏は意味不明な返しをしつつ笑って誤魔化す事にした様だ。


皆、笑っている。

[竜の卵]は[狂乱聖女]の討伐依頼を果たした。

(背中の大きく空いた服なら仮想翼を生やせるぞ)

「冒険者が、そんな女優さん見たいな服着ていたら風邪引くよ。この世界の服は高いし。」

(飛翔魔術はまだ改良の余地が大きいな)


私の黒歴史がまた1ページ。

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