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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第15章 王位と聖女

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一度ぐらいは……

ある傭兵視点

「ブラック、壺は稼働させたか?」

斥候に[サキュバスの壺]が稼働しているかを確認する。

隊長がハルピアの闇市で手に入れた魔導具。

別に衰弱するまで使わなくとも、男1人を無力化出来る。


試しに俺に使わせて見た時は故郷の幼なじみが出て来た。

今頃あいつは兄貴と、うまくやってるのだろうか?

てっきり馴染みの娼婦の誰かが出てくると思っていたのだが、俺も焼きが回って来たのかも知れない。


「ブラウンとブルーは俺について来い。残りの7名は正面から突っ込め。」

突っ込めと言われた部下が少しビビっている。

糞、使えない奴らだ。


「ブラックの話じゃ中には3人。しかもハゲには寝てもらってる。力押しで十分勝てる。」

俺の説明に、ようやく部下が動き出す。


「ブラックは壺の制御と外の見張りだ。大丈夫、壊れる前に聖女様にちゃんと突っ込ませてやるからよ。」

斥候に声をかけて、俺も動き出す。

[竜暗眼](使1残3)

竜人なのは敵だけじゃねぇ。



中を覗くと松明を持って入った奴は真っ先に斬られ床に伏していた。

微かな明かりに絶叫を上げて刀を振り回すスタイルの良い女。

確か茶殻とかいう竜人だ。


「隙を見て2階に上がるぞ。ハゲは無力化されてるはずだ。後は怯える聖女様を捕まえりゃ終わりだ。」

後の2人に声をかけ、大回りに階段に向かう。

本隊の隊長には悪いが、こっちが本命だ。

待ち伏せが見破られた以上商隊は襲えない。

魔術師率いる冒険者50人以上を引き付けてくれてる間に金も、楽しみも手に入れさせて貰う。


階段に辿り着くまでに3人が斬られた。

そこまで広くなく薄暗い店内に、同士討ちのない敵。

しかも相手は竜力で強化しているだろう竜人。


協力して数人斬られる覚悟で一斉に斬りかかれば倒せるだろうが個別に戦っては無理だ。

まぁ傭兵は生きてナンボだから協力はしないだろうが。


「先に行け。初物好きだろ?最初に犯らせてやる。」

ブルーとブラウンが先に階段を駆け上がる。

聖女が初物かどうかは知らないが、馬鹿な奴らだ。

聖女は妖魔筒を愛用している。

どちらかは撃たれるだろう。

だが妖魔筒は1発躱せば接近戦ならそこまでだ。


絶叫が頭の中に響く。

懐かしい幼なじみの声。

!?。

サキュバスが殺られた?

戦斧を持ったハゲが飛び出して来てブルーが上下に真っ二つになる。

眼が青いからブルーと呼んでいたが名前は何だったか。


ブラウンとデグとかいうハゲが対峙している。

手摺り越しに、下を見れば残り2人。

俺が言うのも何だが竜人と人間では白兵能力が違う。


[竜飛翔](使用1残2)

俺は手摺りを乗り越え飛び降りた。

回復役の聖女が無傷で、ハゲが戦線に復帰。

こちらは死傷者6人。

作戦は失敗。

本隊がどうなったか、わからねぇが取り敢えず引くしかない。


「野郎共、退……」

乾いた破裂音と背中から胸に突き抜けた何か。

眼の前が急速に暗くなる。


あぁ、一度ぐらい故郷に帰るべきだったな……。

来週ぐらいから外伝的なお話を別枠で投稿予定です。

ので、本編の投稿ペース落ちるかもしれません。

私の黒歴史がまた1ページ。


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