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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第15章 王位と聖女

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自意識過剰

レイカ視点です。

ハルピアとノウルの中間点、妖魔の村に商隊は到着。

ただ最初にきた時より随分活気がある。

前は市みたいな村と思っていたが、今ではちょっとした街みたいだ。

新しい建物が目に付く様になった。。


私といえば[龍星号]のお陰で足は痛くないが、筋肉痛は変わらない。

騎乗って体幹の筋肉が足りないと変な所が筋肉痛になるんだよ。


商隊は商売と休養を兼ねて3日ぐらい逗留するらしい。

なので、掘り出し物探しに茶殻を連れてヲタクドワーフさんの店を訪ねたが、木工の雑貨屋さんになっていた。


火縄銃とか鉢金とかマイナー武器、防具の店だったからなぁ。

だからこその掘り出し物もあったけど商売は厳しかったのかな?


どうしようか?と思っていると茶殻が

「ヲタクドワーフの店ってあれじゃないっすか?」

と言ってくる。


見れば[火縄銃]改め[妖魔筒]がズラリと並び、日本風(竜の島風)防具が置かれた大店(おおだな)がある。

そして看板には[ヲタクドワーフ工房直営店]

うーん?

眺めていると、若いドワーフの店員さんが話かけてきた。


「お武家さん[妖魔筒]はいかがですか?」


「あっしっすか?」

茶殻が答える。


「お供の歩き巫女さんは既に[オルガ式]をお持ちじゃないですか。今なら金貨8枚で弾50と玉薬もついてます。」

うーん。

微妙に高い。


「別に要らないっす。それに[妖魔筒]は個人で使うには高いっすけど、売れてるっすか?」


「[硝煙のレイカ]様がハルピアで活躍されてからは個人で買う方もボチボチといらっしゃいますよ。」


むぅ。

[聖女]に続き、また何か変な二つ名がついてる。

しかも古いヤクザ映画みたいな感じの。

また珍獣扱いは避けたいので質問して話を逸らす


(レイカ、至高神の二大宗派公式の[聖女]は変な二つ名ではないぞ。)


「ここヲタクドワーフさんの店?いつの間にこんな大店(おおだな)になったの」


「最近です。大旦那様が知り合った[硝煙のレイカ様]のお陰で[妖魔筒]を、うちの部族で一手に商う事になったのがキッカケです。」

その[硝煙のレイカ]って、やっぱり私だよね?

何か大事になってるぞ。


「今は下請けも使って、[妖魔筒]と弾、玉薬を大量生産しています。ただ、まだ手に入りにくいので、お求めのチャンスですよ。」

若いドワーフさん売る気満々だ。


「あっしには[雫]があるっすから……。」

これ以上勧められないうちに、茶殻さんが逃げる様にして去る。

私も追いかけて、その場を離れた。




「やっぱり、ヤバいっすね~。」

店から離れ歩くと茶殻さんが、しみじみ言う。

何故か裏通りを素早く歩いてゆく。


「ヤバくないよ。ただの歩き巫女だよ。」

そう、ヤバいのはマドウであって、私じゃない。

神力も契約の副作用だしね。


(副作用はともかく、レイカがヤバい理由は契約のせいではないと、思うが……)

うーん、マドウに何て言い返そうかと考えていると、茶殻に勘違いを指摘された。


「店の事じゃないっす。奴らの事っすよ。到着した奴らが見えるっすか?」

見ればメインストリートを馬車1台と30人ばかしの傭兵達が歩いている。


うーん。自意識過剰すぎて、少し恥ずかしい。


「野郎共!小休止だ!一刻で出発する。遅れるな!」

隊長さんらしき人が叫ぶ。

この村は素通りするつもりらしい。


「商隊を追尾して来てたっす。多分先行して待ち伏せするつもりっすね。護衛10パーティのうち、あっしら以外はゴブリン避けの[おのぼり]が8、[訳アリ]が1、兵力は50名ちょい」

茶殻が計算を始める。


「対して相手は対人戦に優れた傭兵約30。せめて20なら指揮次第では勝負になるっすけどね。フォレスト商会の護衛冒険者選抜の裏かかれてるっす。」

茶殻の計算では、どうやら厳しいらしい。


「うーん、どうしよう?商隊長さんに相談する?」


「そうっすねぇ……。いや、何か話してるっす。聞き耳たてるっす。」


「魔法で聴くよ。」[遠隔盗聴]×2(使2残57)



聞いた内容は酷かった。

戦うしかない。

私と茶殻は足早に立ち去る事にした。

私の黒歴史がまた1ページ。

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