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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第15章 王位と聖女

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狂戦士の茸

チャシブ視点です。

「[雨は振る振る〜騎獣も濡れる〜越すに越されぬ〜]」

茶殻が[龍星号]の(くつわ)を取り、竜人に伝わる古い唄をリザードマン語で歌いながら歩いている。

騎獣大蜥蜴には鞍が付けられ、冷夏が騎乗していた。


冷夏は[龍星号]に荷を乗せ歩くと主張したが、「聖女様が歩くと誰も馬車や馬に乗れなくなります」と商隊長に言われ渋々騎乗した。


ジナリー王国の王都に向かう商隊の中頃に[竜の卵]は位置している。

フォレスト商会の商隊長の馬車のすぐ近く。

ここ数日小雨が降っているが、商隊進行を止める程の雨ではない為ノロノロと進んでいる。



「[なぁ冷夏。冷夏の神力って今いくつだ?]」

少しでも聞かれたくない事もあり、囁く様なリザードマン語で話かける。


「[うーん、つい先日48になったよ]」

同じく囁く様な返答に、一瞬、茶殻の背筋が伸びた。


「[それって、その、大丈夫なのか?]」

平均的な神官、司祭の神力は6。

初代勇者の仲間だった伝説の聖女でも12と言われている。

それを48と言うのは……。


「[うーん、どうなんだろ?この世界の生き物は普通10は越えないみたいだし、理論値では13以上になると心身に影響でるはずって……マドウ?]」


冷夏は何か呟き始めた。

今迄は冷夏の、いつもの癖だと思っていたが、改めて何か精神的な問題が発生しているのではないかと心配になる。


「[むぅ。びっくりだぞマドウ]」


しばらく虚空と話していた冷夏が戻ってくる。

「[大丈夫だよ。茶渋。]」

「[影響出るならとっくに死んでるって]」

それは大丈夫だとは言わない気がする。




テントで一緒に過ごす、ブレナに神力を増やす薬や方法があるかを尋ねた。

[竜の卵]は夜営組には志願しなかった。

ブレナが言うには、夜営組パーティに銅貨1枚割増する今回の商隊長は気前の良い方らしい。


「ごく、短時間ならありますよ。ただその後9割以上の確率で死亡します。」

帰ってきた答えは想像とは違っていた。

そんな物はないと思っていた。


「神力が増え過ぎると、理性が飛び、[狂戦士]になる事が知られています。死ぬまで戦うを通り越し、死んでも気が付かずに戦う。」


「そしてそれを引き起こす茸が傭兵間で売買されてますね。」


「大抵は捕虜になる前に、自害する為に使われるそうです。身代金にならない傭兵は捕まると酷いらしいですから、死ぬ前にひと暴れする為に使うとか。」


ただ、それが起こるのは短い蝋燭が燃え尽きるぐらいの時間なので、相手にせずに離れれば良いとの事。


「ただ稀に効果時間が長いとか、平然と元に戻る体質の人がいるらしいですよ。その場合でも理性は無くしますから、敵味方関係無く攻撃するそうです。」


「対処法はやはり、離れる事らしいです……ロバートさんの受け売りですけど。」


その茸を使って神聖魔法の使用回数増やせるか?

俺がそう訊くとブレナは苦笑いした。


「[学問の神]の[禁書図書館]に魔王戦争の頃使われたレシピがあるとか、魔王の研究施設に魔法薬として保管されているとかの伝説はありますが、実際は何人もの司祭や神官、薬師の研究にもかかわらず、成功例はない様です。」


じゃあ冷夏の、あの神力は何なのだろう?

俺が寒気を覚えていると、ブレナがそっと抱き寄せてくれた。

運営さんへ

著作権者が判然としない民謡には著作権はないはずだけど……。

もし音楽ギルドに怒られそうなら序盤差し替えますから。

いきなり怒らないでね。

それとも、なろう規約に触れるかなぁ?


私の黒歴史がまた1ページ。

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