苦笑い
視点???
銀貨10240枚。
茶渋姉からもらった銀貨10枚分のチップをオールインしながら2ゲーム程遊ぶと倍々になって大きく増えた。
イカサマなどしなくても、投げるダイスの目など好きに出せる。
この肉体、精神のキャパシティは大きいにもかかわらず本来の主は活かしきれていない。
魔力6神力6竜力6
妖魔の神の啓示、有り
竜叫流刀術、シーフ技能、有り
妖魔神の闇司祭に殺された前の体とは比べ者にならない高性能。
精神憑依体として、これだけの好条件は中々ない。
ただ難点は憑依時に互いに死にかけだった為か茶殻の意思と記憶も半分以上残っている事だ。
と言うより、今は何とか寄生している様な状況に過ぎない、普段の主導権はあちらにある。
多少思考が混ざるのはいつもの事だが、今回は酷い。
「茶殻!こちらの用件は済んだ。帰るぞ。」
茶渋姉に呼ばれ、ダイステーブルに戻る。
銀貨1枚分だけ残し、17に残りチップを全て賭けた。
周囲の客がざわめく。
3と18がカジノの総取りで残りは倍率が2から7倍。
これだけのチップを積めばディーラーは総取りの目を出す。
まぁ、遊びとしては十分だろう。
だが、ディーラーは失敗してしまった。
18を出そうとして、しくじり出目は17。
周りに期待感を出そうと3ではなく18を選んだのが完全に裏目に出た。
周りは大歓声。
茶渋姉は目を丸くし、シンデレラは一瞬、殺意を込めてディーラーを見た。
銀貨71673枚分のチップが運ばれてくる。
ディーラーの手は震え、顔は真っ青だ。
周りの騒ぎにかこつけて、数人の強面の用心棒が出てくる。
「お客様。支配人がご挨拶をと……」
やはりそうなるだろうな。
別に勝ち逃げしたい訳じゃないから良いのだが。
「流石、チャシブ様の妹分ですね。ただ場が大荒れですので、これぐらいで、ご容赦を。」
シンデレラが、すかさず口を挟むと強面衆が茶渋姉の名を聞き頭を垂れる。
茶渋姉がギルド幹部の一員なのは嘘ではないらしい。
出てきた支配人らしき男の顔もアンデットの様に青い。
「チャシブ様、情報料で多少は引かせて頂きます。」
シンデレラが小声で囁いている。
チャシブ姉が小声で「茶殻、なにしてんだよ」と呟く声が聞こえる。
ギルド幹部の妹分に恐喝は出来ない。
結局、周りに御祝儀酒を振る舞うなどしたが、金貨2140枚を受け取りカジノを出た。
勿論シーフギルドの、いくつがあるフロント商会振り出しの魔術師ギルド小切手での受け取りになったが。
任務が無ければ引退して島に帰り、遊んで暮らせる額の金貨が手に入った。
「いや〜儲かったすね。」
茶渋姉に声をかけだが、姉は苦笑いしただけで返事はくれなかった。
劇中ゲーム説明。
スローイングダイス
2D6を5投で1ゲーム。
ただし7か前に投げたのと同じ目が出たら負けでゲーム終了。
最初に賭け金を決め、投げる前に前の目より大きいか小さいか宣言(一投目は7より大きいか小さいか宣言)
当たれば賭け金は倍。
外れたら賭け金はそのまま。
敗退せずに1ゲーム投げ切れば賭け金を貰え、敗退すれば賭け金は没収。
観客は一投毎に7より大きいか小さいかをプレーヤーの賭け金を越えない範囲で賭けられる(7が出たらカジノの総取り、プレーヤーが同目で敗退しても関係ない)当たれば賭け金は倍。外れたら没収。
自分で投げる楽しみとダイスの上下を当てるだけの簡単さで人気。
上記理由により、観客は大きく賭けているプレーヤーの周りに集まりやすい。
ダイステーブル
ディーラーが3D6を振り出目に賭ける。
3と18はカジノの総取り。
後は出目の出易さにより2から7倍に倍率が設定されている。
(もちろんディーラーはダイス目を操れる技能がある。賭けられたチップの状況を見て場を盛り上げるのが腕の見せ所)
確率判れば、相当厳しいとお解りになるかと……。
私の黒歴史がまた1ページ。




