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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第2章 出発

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冷夏視点です。

照明は打ち上げで、ゆっくり落ちてきます。

なんだろう……。

ざわざわしている……。


ミケさんに蹴飛ばされた。


「起きろ!敵がきた!」


え?飛び起きる。

でも……蹴飛ばさなくても起きるのに……。


「数は8。ワイト。」

ミケさんはテントを飛び出してゆく。


『頭がまわってないな冷夏。』

『ワイトはアンデッドで通常武器は無効。』

『歩き巫女のお前が頼りだ。』


私もテントを飛び出した。



暗闇の中でも淡く光る黄色い靄に包まれたゴブリン4体。

同じく靄に包まれた革鎧を着た人間の死体4つが動いている。


気味がわるい。

「(どうすれば良いのマドウ!)」

死体が動いてるよ。


そうしている間に黄色ゴブリン2体が炎に包まれ燃え落ちる。


『使2残0ミケはもう打ち止めだな。』


「(そうなの?)」


『分析で1、照明で1、魔力付与で3、いまの火球で2、残0』


そういえば、ジグさんの剣もデグさんの斧もちょっと光ってる。


『簡易な魔力付与では攻撃が効きにくいが、前衛3人は大丈夫だろう。』


『問題は残り3体だ。こちらを狙って来てるぞ。ミケがうまく誘導してくれた。』

私、ミケさんに恨まれる様なこと何かした!?


黄色い靄が、ワイトがこちらに向かってきている。

冷や汗が吹きでる。

アンデッドが私を殺しにくる。

殺意がこちらに近づいてくる。


『どうした冷夏?』

『触れられなければ、なんともないぞ。』


「触れられたらどうなるの?」


『生命力を奪われる。3度も触られたら、彼奴等の仲間入りになる。』


ミケさんが私の肩を後ろからつかむ。

痛いよ。


「触られたら死ぬ。だから早く祈れ!」


う~ん。ミケさんいつの間にか後ろに……。

それに私また声に出してた?


「ほら、早く!死神に祈れ!」


私は混乱しながら、思い浮かんだ祈りの言葉を叫んだ。

「[死神よ、その鎌で、ワイトを、刈り取れ!]」


『?、冷夏?、普通は[死神よ、聖なる力で、ワイトを、滅ぼせ]とかではないか?』


(使6残2、狩り取っちゃいますよ~。でも、また死神とかいう人増えてますね~。どうしてですか~。)


3体のワイトが一瞬光った後に

真っ二つになり、そして崩れた。



翌日。雨も止んでいる。


「冷夏。転生者は伊達ではないですね。」

歩きながら、ミケさんが肩を軽く叩く。


昨夜、ロバートさん達もワイトを倒していた。

倒したワイトの死体はない。

アンデッドになった死体は塵になり残らないのだそうだ。


「もちろん、これは私と冷夏だけの秘密。」


ミケさんが顔を近づけてきて囁く。

同性でも鼓動が早くなる。

男の人なら一撃必殺だろうな。


ロバートさんは、戦場跡でのゾンビ討伐依頼の話をしている。

死体が残らないのに、報酬が1体いくらだったから、揉めたとか話している。


明日には街に着くそうだ。

なろうでは、ワイトとか地味なアンデッドとの戦闘少ないですよね。

強敵なはずですが、なろう系主人公は魔法や魔剣、聖剣、標準装備ですから。


私の黒歴史がまた1ページ。

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