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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第13章 竜の島

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月光草

アヤメ視点です。


これぐらいの娘は父親に反発しますよね(笑)

月光草は月の魔力を溜め込む為に夜になると淡く光る。

昼間太陽を浴びて蓄えた神力を魔力に変換する時に余った力が光となるからと学んだ。

ある程度育った葉を摘み、煎じて茶にすると魔力回復薬になる。


「綺麗……。」

(スミレ)が一面に光る草原を見て呟く。

美しいより先に薬効が浮かぶのは薬師としての(サガ)だろうか?


母が横笛を取り出し奏で始めた。

美しい音色が響く。


「風流だな、菖蒲」

茶渋が囁いてくるが私は苦笑した。

母は風流で奏でているのではないからだ。

四半刻も続けた時、それは舞い降りた。



「お呼び立てして、申し訳ございません。」

母が演奏を止め頭を下げる。


「まじかよ……。」

茶渋は怯え、菫は気を失って倒れた。


〘鈴蘭、菖蒲を連れて来たのか?〙

竜翠が念話で話かけくる。


「お久しぶりです。竜翠様。」

私も頭を下げ挨拶をする。


〘修行に行くなら、そう伝えてくれたら良かったものを。病と聞いて心配していた。〙


「申し訳ございません。[竜桃]から伝わったっているとばかり……。」

私が事実上の家出を敢行するのを伝えたのは、母を除いては[竜桃]だけだった。

大陸に着いてからは姉に相談したりはしたが……。


〘うぬ。思えば娘が一度も、病の心配しておらぬのは真実を知っていたからか。背に乗せる仲なのだから疑うべきであったな。〙


「ア、菖蒲、竜の背に乗った事があるのか?」

茶渋が真っ青な顔で呟く。

気付けの強い米酒を渡した方が良いだろうか?


「[竜桃]に見せてもらった水平線の彼方の大陸に行きたい想いを堪えられませんでした。」

私は正直に話す。

あの日見た青い海の彼方への憧れと、何者でもない焦燥。

そして今もその気持ちは消えていない事を。


〘そうであるか……。じゃが、この島の(あるじ)として、そなたには島に残ってもらわねばならぬ。今の太守は罷免し、そなたの父[龍備]を太守に据える。それに[竜翼の里]には薬師も神官も居らぬ故、菖蒲そなたには期待しているからの。〙


〘それに我が息子、竜白の気持ちを尊重もしたい。竜白では不服か?好いた男子でもおるのか?〙


「竜白様に異存はありません。」

最後に会った時、彼はまだ少年だったので竜白の気持ちは正直分からない。

だが、政治的に必要なのは分かる。

火蜥蜴太守に三族五家以外の人物を据えるには理由がいるし、風雲急を告げる大陸情勢を鑑みるに腹黒い父は適任だろう。


しかし、冷夏や茶渋達と旅を続けたい気持ちも強い。


「竜翠様、竜人の端くれとして頼む。仲間で話し合う時間をくれ。菖蒲は俺ら[竜の卵]のリーダーでもあるんだ。」

茶渋が毅然と言う。

豹変。

精神的に追い詰められた茶渋の真骨頂。

あれ程怯えていた竜人は、そこには居ない。


〘数日後の御前会議までに結論を出さねばならぬ。明日この時間に、ここで会おう[我が卵]達よ。〙


竜翠が翼を広げ飛び立つ。

〘聖女と戦士は竜翼に着いておる〙

私達は飛び去る竜を見送った。

大地母神官は薬師ギルドに加盟していませんが、神殿独自の資格制度がありそれを取るとシンボルに通す[薬師の紐]を貰えます。

他にも独自の資格はあり、取る毎に紐が増える為、二本、三本と紐が増えた神官は重宝されます。


私の黒歴史がまた1ページ。

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