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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第13章 竜の島

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警告

ブレナ視点です。

15才だと、外角いっぱいですかね?


人により気分悪くなる展開があります。

「女性陣は、それぞれ泊まるそうです。」

伝言を受け取り、デグさんに伝えた。

アヤメ殿とレイカさんは大地母神殿。

チャシブは龍鳴館に泊まるそうだ。

龍鳴館は娼館だが従業員用の離れがちゃんとあるから心配いらないらしい。


今日は昼過ぎまで二日酔いに苦しみ、水しか取っていない。

「夕食は宿で済ませ早めに休みます。」

デグさんにそう伝えると、デグさんも同じ様にするという。


デグさんの場合は昨夜もしくは今朝まで[葦原]で遊んでいた様なので私とは違うが、流石に連日とはいかないらしい。


早々に部屋に引き上げ寛いでいると、デグさんが灯りを不意に消した。


「窓と扉から離れ、壁際に!」

囁く声で指示を伝えてくる。

[暗視]×2(使2残4)

私は小声で詠唱を行う。


扉をノックされた。

「なんだぁ。この時間に!」

デグさんがワザと大きな声を出し、扉と反対の窓に向かい斧を構える。


[閉錠](使1残3)

私は入口の扉を魔術で閉めた。

窓を突き破り黒覆面の人影が短剣を持ち飛び込んでくる。


気合い一閃!

デグさんが、飛び込んで来た者を横薙ぎに真っ二つにした。

室内に血と臓物の臭いが蔓延する。


「ク、開かないぞ」

扉の外から悪態が聞こえた。

「引け!」

扉の外から気配が消える。


「今日は、この宿には泊まれそうにないな。」

デグさんは平然と話した。




あれから二刻(よじかん)後。

デグさんと私は[香油の湯]の湯船に居た。


あの後すぐに襲撃を受けたと伝え、太守の衛兵が呼ばれたが、現場を見るなり「物盗りだナ。」で済まされてしまった。


[双頭の蜥蜴亭]の主人も、「明日の夕方までには新しい部屋を用意する」と言うだけ。


通常の湯屋は日暮れから一刻で閉まるし、他の宿も武装した冒険者では、急には泊まれない。※


結局、[葦原]の外で終日営業している泊まれる場所は一つしかなかった。※


「デグ、どう思います?」

私がデグさんに尋ねると

「茶渋への言い訳か?不可抗力だろう。」

と言う返答がきた。

言葉に詰まる。

確かに、それも考慮しなくてはならない。

頭を抱えた。


「冗談だ。警告だろう。」

デグさんは表情を変えずに呟く。

わかりにくい冗談に笑う余裕は全くない。


「警告?」

返答のオウム返しは思考停止の証だと、学院で学んだが聞き返してしまう。


「たまたま2人だったが、本来[竜の卵]は5人。本気で暗殺を仕掛けてくるには数が少なすぎる。」

確かに襲撃者は推定3〜4人。

不意打ちとはいえ数が少ない。


「それに襲撃の手口も荒っぽい。」

デグさんは更に呟く。

言われて見れば、そもそも冒険者の店での襲撃はリスクがある。

シーフギルドと冒険者の店ギルドには、相互を尊重する秘密協定があるからだ。

昔、聖王都で違法薬物を巡り泥沼の抗争があって以来の事と聞いている。


「[竜の卵]に、この島に長居して欲しくない連中がいるらしい。黙っていれば出て行くのにな……。」

そこまで話すとデグさんは黙った。


それにしてもデグさんは、ジグさんが生きていた以前と雰囲気が変わったと改めて思う。

それが良い事なのか私にはわからないが。




「お待たせしました。アリスです~。」

「マリーと申します。」


湯船を出て休んでいると、若い女性が2人布を巻いただけの姿ので入ってきた。


「マッサージなら銀貨1枚、口も使うならもう1枚、さらに2枚貰えるなら朝まで、ご自由になさって下さい。」

マリーと名乗った女性が説明をしてくれる。


「10枚ある。確認してくれ」

いつ準備していたのだろう?

デグさんが2人に小袋に入れた銀貨を渡す。

手慣れた感じが、経験の差を実感させる。


「ブレナ、先に好きな方を選んでくれ。自分は後でいい。」

アリスは、かわいい感じで胸などがふくよか。

マリーはスレンダーで、きれいな感じ。

しかし、頭にはチャシブの顔が浮かび、久しぶりに胃の腑が痛んだ。


「よろしければ、私が。」

マリーが申し出ると、

「なら、決まりだ。」

と言ってデグさんはアリスと隣室に消えた。


「気を楽にして下さい。せめて今宵だけは……。」

マリーに導かれるまま横になった。

快楽と、後ろめたさと。

夜は更けていった。

※宿屋ギルドと冒険者の店ギルドの取り決めがあります。

※[葦原]は真夜中に門が閉まり朝まで開きません。


私の黒歴史がまた1ページ。


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