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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第13章 竜の島

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価値観

久しぶりではなく。

アヤメ視点です。


「龍真先生、茶殻先生、やはり、こちらでしたか。館で酔客が暴れ、刀を抜きやして。」

飛び込んできた男は派手な着物を着て滑稽な化粧をしていた。

妓館の太鼓持ちだろう。

息を切らしている。


「男衆が囲んでは、おりやすが、どうも竜牙流の若衆らしく、手に負えません。」

太鼓持ちは懇願する様に話す。


「それは、いかんな。」

叔父が刀を手に席を立つ。


「全くアホっすね。妖魔神よ、我と師の、酒精を払い給え。」(使2残4)

茶殻女史も刀を手にしたが、その前に手早く祈りを捧げている。

神聖魔法で、酔いを醒まして駆けつけるつもりだろう。


「女将、払いは皆の分を含めツケといてくれ。引き続き食事と酒を出しといて欲しい。菖蒲、明日また話そう。」

叔父は太鼓持ちと共に店を出た。


「一刀、後は頼むっす。」

茶殻女史も後に続く。


後事を託された一刀殿は持っていた芋酒を手に私達に近づいて来た。


「先生の話された通りだ。刀で飯を食うのは難しい。竜牙流の様な大流派なら別だが、竜叫流は門弟20人あまりの小流派、その門弟も大半は兼業で食っている。」


「先生自身も門弟の謝礼金では食えず妓館の用心棒を兼業している。若い頃にトロールをポン刀一本、一人で仕留めた達人がだ。」


「ゴブリンを数匹斬ったぐらいでは冒険者は務まらんと聞いている。故郷に返って嫁ぎ先を探した方が身の為だろう。」

一刀殿はこの島の大半の男達と同じく、女は嫁いで家に入るのが幸せという考えらしい。

しかし、それは豊かな世界に生きているからの考え方だ。

生き残る実力が全ての冒険者とは相容れない。


私が反論しようとするより先に冷夏が口を開いた。

「そういう一刀さんは、何で食べてるの?」


「私か?私は……」

一刀殿は言い淀んだ。


「一刀さん。一刀さんて多分貴族か豪農か何かで実家が太いでしょう?私は故郷は無いし、頼れるのは冒険者仲間と大地母神のお導きだけだよ。」


「アヤメだって、自身の才覚で冒険者をしている。趣味で刀振ってる一刀さんとは違うよ。」

鋭い一撃。

神殿で[言葉は刃物にもなる]と習ったが冷夏の刃は一刀殿を斬り伏せた。


「な、趣味だと!先生の客人とはいえこの屈辱我慢ならん。表に出ろ!趣味かどうか分からせてやる!」

一刀殿、いや一刀は刀を持ち席を立つ。


冷夏も最近[妖魔筒]と呼ばれる様になった火縄銃と早合、火縄を持ち席を立とうとしている。

冷夏も珍しく熱くなっている様だ。


「待て、一刀!この勝負、私が受ける。無刀の神官を斬っても貴殿の刀術が遊戯ではないとの証明にはならぬだろう?」

私は敢えて挑発的な表現をして、こちらに標的を変えさせる。

デグに目配せした。


「先生には申し訳ないが……」

そこまで話して一刀は崩折れる。

デグが後から素手で一刀を強打したからだ。


「女将、騒がせた。」

私が一刀の状態を診察している間にデグが店に謝罪している。

一刀は意識を失っているが嘔吐などもなく、問題はなさそうだ。


「ゴメン、アヤメ、デグ。ちょっと熱くなった。」

冷夏が恐縮している。


女将に銀貨1枚と一刀を預け、我々[竜の卵]は店を出た。



翌日

[双頭の蜥蜴亭]で朝食を取っていると、叔父から道場に来て欲しいと使いが来た。

茶渋とブレナは眠そうだが、茶渋の肌は艷やかに輝いている。

冷夏が「女性ホルモン」かな?

と呟いていたが意味は分からない。


「竜叫流の道場だろ?俺も知り合いがいるから訪ねるつもりだった。」

茶渋の言葉に渋面が出てしまっていたらしい。


「アヤメが、そんな顔するなんて珍しいですね。」

ブレナに指摘されてしまう。


「大丈夫だ。イザとなれば冷夏は自分が護る。」

デグが呟き斧を引き寄せる。


「?。もう何かやらかしたのかよ」

茶渋が呆れた顔をした。


「ゴメン〜、やらかしたのは私なんだよ。」

冷夏が私を庇ってくれた。

私の心情を代弁してくれた結果だと言うに。


「そこは疑ってねえよ。冷夏だからな。」


「むぅ。茶渋は私をトラブルメーカーって思ってる?」

わざとらしく顔を膨らませる。


「客観的事実がそう示しています。」

茶渋の変わりにブレナが答える。


それには冷夏以外の[竜の卵]、珍しくデグまで笑った。

私は少なくとも今は、冒険者として仲間と過ごしたい。

日本の今の少子化対策は失敗します。

少子化対策の不都合な真実に目を瞑っているからです。

不都合な真実とは子供の多い地域は女性の社会的地位が低い事です。

女性への社会的配慮が増えれば解決するは誤りです。

配慮が日本より格段に行き届いている北欧諸国でも少子化が進行している事実を説明できません。

移民による人口増加は移民元の女性の地位が低い事を利用して労働力を輸入しているに過ぎません。

フランスは例外的に人口が増えていますが、その要因と思われる世帯別税制、これを日本に当てはめると、共働きではない!方が有利に働く。

つまり女性は家にいて男性が働く社会なら人口が増えると言う理論です。

つまり女性の社会的地位を下げてまで少子化対策をするのか、人口が減る事を受け入れて、それでも持続可能な社会を作るのか、を選択するべきなのに前提を間違えたまま対策しても失敗は必然です。


うーん。

なんだろう。愚痴というかなんというか……。


私の黒歴史がまた1ページ。

(今回の後書きは本当に黒いのでマズければ消します)

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