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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第12章 兎達の戦い

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戦見物

砂漠ってイメージが人により大きく違うのですが、文章描写出来る力量が筆者にはありません……。

砂漠の夜は冷える。

本当なら火を焚きたいが、炎は遠くからでも目立つし、燃料も節約したいので毛布に包まるだけにしている。

それに食事も堅いパンと干し肉を削って、ゆっくり噛るだけ。

慣れていないアロマは厳しそうだ。


「さて、どうする隊長。ご意見を伺いたいねぇ。」

今後の方針を決める為、フィーバーがアロマに尋ねる。

名目上でもアロマはリーダー、最初に指針を示す義務がある。


「み、(みな)の意見を聞きたい。ハイレンどう考える。」

さすが貴族。

フィーバーの初撃を、いなして話を振ってきた。


ギフトは警戒した目をしている。

偵察兵に状況を偵察させるとか決まれば命を賭けるのは彼女になるからだ。


「3つ方針があります。それぞれを先ずは確認しましょう」

私は確認するフリをしてリーダーの為に時間を稼ぐ事にした。


①前のオアシスまで引き返す。

②[レパタの民]が過ぎ去るのをビバークして待つ。

③[レパタの民]を欺いてオアシスに潜入する。


どれも一長一短。

①前のオアシスに戻るには5日はかかる。

食料は節約すれば足りるが水が3日分しかない。

2日間、水無しで砂漠行軍は辛いし危険だ。

だが、それを乗り越えれば1番順当な案だろう。


②ビバークは3日が上記の様に限界で[レパタの民]が、それ以上留まれば詰む。

利点は上手くいけば、[引き返し、待つ]と言う時間のロスを[待つ]だけに、することが出来る。


③1番ハイリスクだが、1番リターンも大きい。

オアシス内部に入れば補給も効くし休息も出来る。

ただ見つかれば戦いは避けられないしオアシス内部で、やり過ごす工夫も必要になる。


「どうしますか?リーダー?」

時間は稼いだ。

後はリーダーの力量次第。


「じょ、情報無くして判断は出来ない。ギフト、探れないだろうか?」


「2〜3日貰えるなら、なんかしら探る自信はあるけど、直ぐには無理だよ。」

ギフトは正直に答える。

だが、それは本末転倒な答えだ。


「使えないのを1人、部隊から放り出すなら、①なんだがねぇ。」

フィーバーが本気とも冗談とも取れる台詞を吐き、アロマとギフトが顔を曇らせた。


「フィーバー、冗談でも、言い過ぎです。」

取り急ぎ、その場は収める。

だが冗談でなかった場合は血を見る結末になるだろう。



突如、空が明るくなった。

[照明弾]の魔術が使われたのだろう。

ゆらゆら明かりが落ちてくる。


「敵襲!デザートゴブリンとトロールだ。」

人間共通語の叫びから[レパタの民]が襲撃されているのだろう。


「[数はどうだい?]」

フィーバーが小高い砂丘に駆け上がった

ギフトにハンドサインで尋ねる。


「[上がってきて大丈夫。]」

ハンドサインが返ってきた。

私達はそっと砂丘に上がる。


「レパタ側は非戦闘員含め約100。襲撃側のデザートゴブリンは約20 。」


「他にトロールが1、ダークエルフの少年兵1。指揮は見た目若いダークエルフの男が後方から取ってる。」

小声で囁くギフトは偵察兵だけあって、よく把握している。


「ゴブリンが少ないねぇ。混乱から立ち直ったら、レパタの勝ちだよ。」

フィーバーが呟く。

何かチャンスになれば良いのだけど。


時々乾いた破裂音がする。

「あの聖女様も持ってた筒はなんだい?」

私達4人は砂丘に伏せて戦いを見学している。

ダークエルフの可愛い少年兵が筒を操作しているが、意味が分からない。

新兵器の試作品だろうか?


「武器みたいだけどね。妖魔式の石弓かな?」

ギフトが感想を述べる。


「レパタの民は指揮官が、その妖魔石弓で殺られてるねぇ。トロールも奮戦してるし、[レパタの民]が混乱からまだ立ち直ってないから、今はまだ良い勝負してるじゃないか。」

だが「今はまだ」だ。

やがて[レパタの民]が妖魔側を圧倒し始めた。


「[ここまでだ。俺は退却するぞ!クソガキ]」


「[任務は、どうすんだよ。僕は手ぶらじゃ部族に帰れない。それにお前だって……]」


「[部族に戻らず、魔族領に行く。俺はゴブリン使いだから食いっぱぐれない。]」


「[僕はどうすればいい]」


「[知るか!迷うなら特攻しやがれ!]」

エルフ語でのやり取りが聞こえる。

後方にいたダークエルフがゴブリン笛を吹きながら逃げ出した。

前線近くのダークエルフの少年は取り残され包囲されつつある。


「[あばよ。クソガキ。心配しなくても、砂漠で野垂死ねるさ。水と食料は俺のゴブリンが運んでるんだからな。]」


「[最初からそのつもりか![第3クオーター]退却するぞ]」

トロールらしい謎の名前を呼ばれトロールがダッシュして逃げ出した。

ダークエルフの少年は退却してきたトロールに飛び乗り戦場から離脱してゆく。

レパタの射掛ける矢が後を追うが命中したか、わからない。


「ハイレン。あのガキを押さえるよ。色々聞き出した後は好きにして構わないからねぇ。あぁ、もちろん聞き出す時もさ。」


「ハイレンさん貴女は……。」


「武器で気づくだろ?アロマ。聖職者には良くある性癖さ。」


なんだろう。

酷く誤解されている気がする。

私は妙な居心地の悪さを感じながら、仲間とダークエルフの少年兵を追った。

[シックスパック]筋トレ(スジ)では今は当たり前かもしれません。

某ゲームのトロールの名前です。

当時は良くわかってなかった(笑)


何の事か分からない?

流しといて下さい。


私の黒歴史がまた1ページ。


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