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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
11章 聖女の足跡

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嫉妬

孫子の兵法って戦略説いているので、[中間管理職にお勧め]が既に策にはまっている、とネットで見て笑いました。


私達[竜の卵]はフォレスト商会の商隊と共にノウルの街に入った。

前回フォレスト商会に雇われた時はグリフォンに襲われたり、マンティコアと戦わされたりしたが今回は、ここまでゴブリン一匹出ない。


『ゴブリンは勝てそうな相手にしか襲いかからないし、負けそうなら逃げる。人間より余程の戦い上手だと思うが……。』

う~ん、『戦は数だよ』だったっけ?

でも、偉い人が大軍を用意出来なかった時にどうするか?が現場指揮官の力量じゃないの?


『確かに戦術は戦略に劣るが……今度基本を講義してやろう』

むぅ。

やぶ蛇だよ。



宿で話を聞くと、[茶色い雪兎]は随分前にノウルを通過しているみたいだ。

私達はリキタの街でデグさんの胸当て貰ったりして、7日程のんびりした。

[薬学日誌]を奪取したのは状況からして、クーアさんのパーティー。

暗号はもう解いたのだろうか?


アヤメはケリー先生のノートなしでも[薬学日誌]を普通に読んで説明してくれた。

アヤメって医学薬学に明るく、剣は達人。おまけに美人。

前世の完璧超人の姉といい、どうも歴史という劇の神様の配役表に私はモブって書いてあるのだろう。


『死神に訊ねてみたらどうだ?だが、モブではないと思うぞ。前の役は[完璧超人(ゆうこ)の若くして病死した妹]だっただろう?』

う~ん、それはそれで微妙な配役だぞ、マドウ。



私とアヤメに訪問者があった。

街一番の高級宿で、さる貴人が私達を呼んでいるとの事。

以前、ロバートさんとミケさんが同じ感じで呼ばれて、マンティコア退治になったから少し嫌な予感がする。

ロバートさんなら、お城に呼ぶだろうしね。


「はじめまして、あちらの方がお2人を招かれたフローラ・ノウル様。王女、……奥様は喪中の為、城に招く訳もいかず、失礼いたします。」

案内してくれた女官が黒いベールを付けた娘を紹介してくれる。

う~ん、先日中庭で睨んでいた娘だ。

ロバートさんの正妻でジナリー王国の元王女様。

前回招かれた食事会には居なかった。

そういえば、喪中って誰か亡くなったのかな?


「いえ、こちらこそ、ご挨拶遅れまして申し訳ありません、奥様。私は歩き巫女のアヤメ。こちらは上級神官の鈴木冷夏になります。このたびのジナリー王の件。誠に残念です。」

う~ん、亡くなったのって王様?

って、アヤメいつの間に聞いたの?


『さっき出掛けにチャシブから報告受けてたぞ。』

街に入って、すぐにチャシブが市場に行ったのは知ってだけど……。

頼りになるよ~。


『冷夏が呑気なだけだ。』

むぅ。


「ロバート様は妖魔トロールが領内の村近くに出て対応に出ておられます。で、奥様がお2人に質問があるとか。」

なんだろう?


「どちらが、いえ2人共ですか?夫の浮気相手は?」

アヤメと私は顔を見合わせる。


「私は故郷の島に許婚がおります。ロバート様と、その様な関係になった事は大地母神に誓ってございません。」

?!

アヤメって許婚が居るんだ。初めて聞いたよ~。

でも、それより今は疑いを晴らさないと……。


「私も無いよ。ロバートさんとは冒険者としての関わりだけだよ。男女の、そういうのは、大地母神に誓ってないよ。」

アヤメから、こちらに視線が向いたので慌てて答える。


「しかし、王都で密偵から聞いた報告では、冒険者仲間と関係があったと。まさか、あの私と変わらぬ年の娘が?」


「チャシブはロバートさんと仲間になった事はないよ。元カノはミケさんだよ。」

なんか、知っている情報が古いみたいだ。

王女時代に身辺調査してた情報かな?


「ミケ?」


「奥様、以前の情報にあったハーフエルフの事かと……」

女官が耳打ちしているが、部屋が静かだから内容が聞こえている。

「……ハーフエルフは殿方からすれば玩具みたいな物。ロバート様の御心は今は奥様にお有りでしょう。お気になさらずに。」

聞こえてるけど内容は、さり気なく酷い。


「お2人とも、ご苦労でした。これは旅費の足しに。」

それから、すぐに金貨1枚づつ貰い宿に帰されたが疑われたし、なんか微妙だよ。


「王女は望んでロバート殿に降嫁されたそうです。昔、一度合ってから惚れていたとチャシブがギルドから聞いてきました。」

帰り道でアヤメが話してくれた。


「昔、攫われかけた時に助けた冒険者のリーダーがロバート殿だったらしいですね。ロバート殿の方は覚えているか怪しいですが……。」


「う~ん、乙女だね。ところで、アヤメの許婚ってどんな人?」

そうそう、これは聞いておかないと。


「さぁ?親どうし決めたので、顔も名前も知りません。しかも、こうして島から家出同然に飛び出してますから。」

アヤメは、いたずらっぽく笑った。


う~ん、かえって気になるよ。

モブが活躍する。

そんな物語ありますが、どう見てもモブって言うには無理あるだろ?って設定もまた[なろうの楽しみ]ですね(笑)


そういえば、アヤメが初めて歩き巫女と自己紹介しています。

それより、ヤングロバートの冒険を書けって?

乱丁本作戦は、やはりイマイチ……。


追記

この世界は実際に神がわかりやすく存在し、しかもその聖職者が「自らの神に誓ってありません」は事実上魔法の呪文です。

嘘である時は何らかのペナルティなり警告が現れます。

フローラが、あっさり信じたのは、その為です。


私の黒歴史がまた1ページ。

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