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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
11章 聖女の足跡

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正義

印刷技術がない為、本は高価です。

「[竜の卵]宛に〜至高神神殿から〜推薦依頼がきてます〜。」

デポさんが朝食中の我々に依頼状を持ってきた。


「う~ん、至高神って暗殺者送ってきたりするとこだよね?」

レイカさんの確認に店内がザワつく。

流石に過激宗派からの依頼ではないだろうが、聖神教派も転生者のレイカさんには天敵だろう。


「正義の〜聖王国派からです~」

デポさんが告げる。

至高神の教えの中でも、正義を重んじる宗派からの依頼らしい。

だが教えの性質上、自前の戦力、冒険者は足りているだろうに推薦依頼とは……?

また裏がありそうだ。


そんな事を考えていると、チャシブが珍しく暗い目をして訊いてくる。

「なぁブレナ、正義ってなんだ?」


「至高神の信徒に寄ると、[正義と保守の神]たる至高神が定めた秩序を重んじる事ですね。」


「ただ、教えの解釈次第では魔術師も良く思われていないので承服しかねますが。」

魔術師ギルドの力が増すまでは、魔術師は至高神の迫害とも戦ったと一般教養で習った。


「それって犯罪浮浪児を捕えて、娼館や鉱山に売り飛ばす事も入るのか?」

チャシブ……。

抱きしめたくなったが人目を気にして止めた。

冷静に答えねば。


「罪には罰を。とは言いますが……」

答えようとすると、デポさんから横槍が入る。


「人間の至高神司祭は〜魔族は産まれながら〜罪人と言ってます〜。魔族の至高神司祭は〜人間は駆逐すべき〜害獣と言ってます〜」


「それって妖魔族の陰謀か何か?」

レイカさんの、もっともな疑問にさらに斜め上の返答がくる。


「[進化と自由の神]を信じる〜妖魔を〜至高神は〜認めてません。至高神の正義は〜妖魔も魔族も人間も〜全て滅ぼすこと〜」

店では笑いが起きた。

そう聴くと至高神はとんでもない神に聞こえる。


「[正義が勝つのではない、勝った方が正義になる]そう諺は言います。生き延びて冒険者になったチャシブこそが正義ですよ。」

アヤメさんが、うまく(なだ)めてくれた。



朝食後

アヤメさんが目を通した依頼状の内容を説明する。

依頼は、ある本を探して欲しいという内容だった。

本……

ジェーンに謀られた苦い思いが甦る。


「本の内容は薬草、薬学関連。本の名前など詳細は至高神神殿の高司祭から説明を受けられる。報酬は前金で金貨15枚。契約期間は3ヶ月。本に関する有益な情報あれば後金で金貨15枚。」


「もし原本または魔術転写による写本が手に入れば金貨100枚で買い取りする。入手方法は問わないが、入手は自己責任にて対応を求める。」

非合法入手に責任は持てないが、入手金額との差額は払う。

物品捜索によくある一文だ。


「う~ん、説明受けないと判断出来ないよ。」

レイカさんが冷静に判断する。


「詳細聞いてから判断出来ないのか?」

デグさんが尋ねる。


「詳細を聞けば守秘義務が発生し、事実上断れない契約になっています。」

アヤメさんが依頼状を確認し答えた。


「俺は少し出てくる。」

チャシブが席をたった。

情報収集に行くのだろう。


「夕食後に決めましょう。」

アヤメさん達が神殿に行くと言って席を立った。


私も魔術師ギルドに出かける事にした。

鶏と卵ですが、識字率低いと印刷の必要性が低くなります。

江戸時代の瓦版は奇跡的な識字率の高さがないと成り立ちません。

戦乱のない時代と愚民化政策を取る某宗教の影響がなかったからと聞いた事があります。

翻って現代。

デジタル化で紙の本は高く、またマイナー本は入手しづらくなってきましたね。

デジタル書籍は後出し不適切で閲覧出来なくなったり、政府の都合で削除されそうで少し恐いですが便利なんですよね(笑)


私の黒歴史がまた1ページ。


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