報酬
金貨は仲間と分けました。
[カボチャの馬車]が迎えにあがります。
ある日、シンデレラから連絡が来て俺はカジノに来ていた。
「チャシブ様、お待ちしておりました。ご案内します。」
入口のチンピラの態度が違っていて、びっくりだ。
今はVIPルームでシンデレラと向かい合っている。
「どうぞ、お召し上がりください。」
出された飲み物に氷が浮いている!
この季節に氷とは……しかも飲み物に浮かべるなんて……。
俺は今、王侯貴族か大商人だけが味わえる贅沢をしている。
先日もパライバ商会から一人頭銀貨330枚+ボーナス銀貨100枚を貰っている。……自分の実力を勘違いしそうだ。
「呼び出しって何があったんだよ。」
シンデレラに平静を装い尋ねるが、全く驚きを隠せてない自信がある。
「ラチア島のギルドから報告等が届きましたので、お呼び立てしました。」
シンデレラが説明を始めた。
説明によれば、支店長は[竜の卵]の甘言に乗り三号船を一日遅れて出港させた。
しかし、三号船は無事ハルピアに到着。
支店長がケチったので、銀は全く積んでいない。
そしてそれが、アヤメが先に提出していた報告書、[支店長による銀の横領、反乱の隠蔽、虚偽報告について]の証拠になった。
その後、臨時急便を送られ本店から詰問された支店長は、その場で服毒自殺したそうだ。
「そして、こちらがラチア島ギルドが依頼した暗殺に対する報酬です。」
シンデレラが硬貨の入った小袋を5袋出してきた。
数えると一袋20枚の金貨が入っている。
計100枚、まじかよ。
「ギルドマスターの髭面より『謀略による見事な暗殺に敬意を表する。』と伝言が添えられています。チャシブ様。」
え?
俺が謀った事になってる?
「報告書にチャシブ様のカンの良さ、演技力に感服したと、また尾行を斬ろうとした[人狼斬り]を諌めたともあります。」
ちげえよ、俺じゃねぇ。
しかし金貨の入った袋を手渡され……。
とても言い出せなかった。
「チャシブ様、これからも懇意にお願いいたします。」
シンデレラに頭を下げられ、俺は困惑したままカジノを出た。
まじかよ……。
この章はこれで終わりです。
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私の黒歴史がまた1ページ。




