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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第10章 卵料理

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失敗した〜

リリさんは貴族です(笑)

マッサージを続ける下級神官に、次からくる人には薬草を処方するか、マッサージをするか、お話を聞くかにしてください。と伝えて、見習いを連れてテントを出た。


入口で反射的に「次の方……」と言いかけた神官の肩を掴み

「中を手伝って!」

と有無を言わせずに言う。

「わたくしはリリ・アルベロ。こうして外で手伝っているだけでも……」

「それなら、私は鈴木冷夏です。中を手伝って!」

強引に中に押し込む。

「リリさんはマッサージ担当!薬師さんは処方!下級神官さんはお話聞いて!」

言い放つ。

「え、あの……わたくしがマッサージ」

「頼んだよ!」

被せ気味に言ってテントをでる。


マドウ、出撃するよ。診断お願い。

隣で見習いさんが啞然としている。


『栄養失調』

「食堂に案内してあげて」

『高齢による腰痛』

「マッサージお願い」

『ストレス性胃炎』

「胃薬とカウンセリング」

『骨折』

「大地母神よ骨折を癒やし給え」(使1残23)


テントすぐ外で行列に対処始める。

神官見習いさんは、最初ワタワタしていたが、いつの間にかスムーズに対応している。


他のテントに比べ行列の減りが早いからか、見習いさんが汗だくだからか、応援の見習いさんが何人かきてくれた。


「上級神官様から伝令です。」

「テントの内の再配置が終了。投薬、マッサージ、カウンセリング、に振り分けました。」


「ありがとう。振り分け指示出すから案内お願いします。」

有能な上級神官も、ちゃんといるんだ。

夕方の閉門まで頑張っちゃうぞ。



『虫垂炎』

「大地母神よ虫垂炎を癒やし給え」(使用1残8)

私の周りに何人か神官がきて、神聖魔法を手分けしてくれているが行列が、なかなか減らない。

それに治療行列以外にも人だかりが出来ていて、神官戦士や聖戦士が人員整理に駆り出されている。

むぅ、トイレ行きたいし、ちょっと休憩したい。


「冷夏、少し休憩して。デグ、護衛を。」

アヤメ!来てくれたんだ、助かる〜。


アヤメが振り分けを始めた。

人狼の件でもそうだったが、アヤメは医療知識もあるチートキャラなんだよ。

私は現場を離れ、先ずはトイレにむかった。

デグさんがついて来るのが少し恥ずかしいが、この人混みでは是非も無し。

「冷夏様は一時休憩に入られます。」

ん?変なアナウンスしている神官戦士がいるぞ。


トイレを出て水を飲もうと食堂に向かうが、途中で神官戦士に止めらた。

「食堂は危険です。」

そうか、栄養失調多かったもんね。

「冷夏様が顔出したら、暴動になりかねません。」

むぅ、なんか凶悪犯みたいな言われよう。

「上級神官専用食堂が関係者様に臨時開放されてますので、ご案内します。」


デグさんを始め、5人の神官戦士に囲まれ上級食堂に入ると、みんなグッタリしていた。

「もう、無理。もう、無理。」

今日、どこかで聞いた声。


「リリさん、おつかれ〜」

声をかけて近づく、リリさんはまるでオーガを見た様な顔して立ち上がる。

「さっきは、ごめんね。気合い入ってたから。」

リリさんは座り直したが、顔色が悪い。


「いえ、気にしていませんわ。」

目が泳いでいる。

「休憩終わったら、もうひと頑張りしよう。」

頼んだジンジャー水を飲みながら話す。

「ぇっえぇ、アルベロ家の誇りにかけて頑張りますわ……」


「じゃあ、そろそろ戻ろうか。」

リリさんにも声をかけて立ち上がる。

後日、聞いた話では神官戦士に囲まれ連れられて行くリリさんは、処刑台に連行される様にしか見えなかったそうだ。



夕方

閉門時間になり、無料診療日は終わった。

後半はアヤメのフォローも、あって随分楽が出来た。

やっぱり持つべき者は相棒だよ。


ん、神官見習いさんが、なんか跪いている。

あの涙目だった最初の見習いさんだ。

確か、レマナさん。

「聖女さま、聖女さまの奇跡に立ち会えました事、感謝いたします。」

なんだろう泣いている。

感激屋さんなのかな?


「大袈裟だよ。レマナさん。それに私は聖女じゃないよ。」


「そんなことは、ありません。恐れながら隣にて数えてました。レイカ様は22回神聖魔法を使われてます。」


むぅ!そんなに使った?

『使っているぞ』

私の神力は8だよね。

『契約の影響で今は24ある』

24!それって……。

『この世界に通常は10を超える神力の生き物は居ない。歴史上の聖女も12が最高値だ。』

やっぱり、変な影響出てない?マドウ!


「そういえば、10回越えてる……」

他の見習いも、つぶやき跪く。

「ホントだ。伝説の聖女様より……」

指折り数えた見習いがヘタリこむ。


「私が来てから6回」

アヤメが、こっそり教えてくれた。

「数え間違いで押し通すのは厳しい。ここは何とか切り抜けて、依頼にかこつけて一度ハルピアを離れよう。」


気がつくと、アヤメとデグさん以外の大半が跪いて、こちらを見ている。

「聖女さま!」

誰かが叫ぶ。


「て、テントを片付けましょう。夕べの祈りは、それからです。」

むぅ〜失敗した〜。

ベタな、なろうらしい事をやって見ました。


私の黒歴史がまた1ページ。

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