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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第9章 再始動

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胃の腑

新米冒険者は金策との戦いです。

翌朝

同じ一泊銅貨10 枚なら、宿を変えたい。

[森の若木亭]の4人部屋でチャシブが駄々をこねた。

確かに女性にたいする配慮からすると、

個室の[魅惑の伯爵夫人]の方が良いかも知れない。

だが[森の若木亭]は朝の食事が付く。


「我輩は嫌だな。あの宿には魔物が出るだの、魔獣の材料にされるだの、色々嫌な噂がある。飯はうまいがな。」

サムスは反対する。


「多方、あのハーフエルフが気にいったんだろ、ガキが色気づきやがって。」

アロンは煽る言い方しか出来ないのだろうか?


「ああ、気にいったよ。あんなに旨い飯を食ったのは生まれて初めてだ。」

おや?チャシブが挑発に乗らず受け流した。


「まぁ、飯は旨かったよな……。」

3人の視線が、こちらに向く。


「駄目です。日当銅貨20。宿と朝食で10、夕食で2、残り8銅貨。」


「パーティー資金に4銅貨づつ徴収してますが、パーティー装備が整うまでは遠いのです。[魅惑の伯爵夫人]は朝食が付かないから駄目です。」


「本当にそれだけか?昨日の話じゃ、トカゲだの鶏ガラだの、みんな俺の事良く見てるよな?ブレナだって、俺の何処に鱗あるか知っているだろ?ラッキースケベが惜しいんじゃないか?」


な、!確かに何らかの拍子に見えてしまう事はある。

しかし、それを目的にこの宿にしている訳では無い。


「それは誤解です。どうしても、と言うなら考えますが、銅貨4枚の徴収は変えません。」


話し合いの結果、夕食は[魅惑の伯爵夫人]で取ることが決まった。

資金に余裕がありそうな[竜の卵]に引きずられないようにしないと。

胃の腑が痛い。



遅い朝の点呼と夕方遅くの点呼、この2つに3人以上で出れば人数に応じた日当が支払われる。

だから巡回をサボる事も可能ではあるが、繰り返せば信用を失い、他の仕事も受けにくくなる。

他の街より弱いとはいえ、冒険者の店ギルドは機能しているのだ。

点呼のある北地区の事務所に行くと、既に[竜の卵]が待っていた。


点呼を終えると、短いながらも治安傭兵達と隊長ミーティングがある。

夜巡回からの引き継ぎ事項などがある為だが、今まで受けていた時と周りの目が違う。


「103レベル高すぎだろ。ブレナ、俺らと変われ!」

「なんで107は野郎しかいねえんだよ。」

「清楚で可愛い歩き巫女だけでも譲れよ。治癒魔法は生死を分けるんだ。」

自分を含めた10人のリーダーの内の8人から、意見(やっかみ)がきた。

ちなみに黙っていたのは、女性がリーダーの109だけだ。


「何故なんだ?ブレナ、お前モテ期なのか?」

前に組んでいた4人組が商隊護衛受けて別れたタイミングだけだったんだが……。

予想どおりの展開だが胃の腑が痛い。



ミーティングが終わり街に出る。

緊急事態さえ起きなければ、割り振られた地区を巡回する簡単で安価な仕事だ。


確かに巡回隊に美人2人いるのは悪くない。

今までの巡回と違い振り向いたり、視線を向けられたりする事が増え、抑止効果がありそうに思う。

時折浴びせられる、やっかみじみたヤジもデグさんが無言で睨むと一瞬で黙る……。

前よりデグさんの迫力が増している。

ジグさんとミケさんが亡くなった時に大泣きしていた男とは別人の様だ。


「なぁブレナ。前の巡回隊と雰囲気明らかに違うぜ。卵の姉ちゃん達、銅貨チマチマ貯めてる俺らとは格が違うんじゃないか?」

格の違いと銅貨は関係ないだろうアロン


「我輩も筋肉には自信があったが、デグ殿は一周り以上ガッシリしている。並の戦士ではないと見たぞ。」

その自信ある筋肉に合う武器を購入してほしい。

アロンと同じ片手剣で自称重戦士は無理がある。


「なぁ俺、あっちの子になって良いか?貞操の心配しなくても良くなるし。」

チャシブ、そんな誤解を招きそうな事を。


「貞操の心配など、トカゲ臭いガキには要らないだろ?」

「我輩は……」

「デブ好きなんだろ?それにアヤメも竜人だぞ。」


「チャシブ、このハルピアを出たら竜人で有ることは、なるべく秘密にね。聖神教徒には人間以外を狩る派もあるから。」

アヤメさんはチャシブを引き抜きたい様な雰囲気を見せている。


「デブなどと差別的な!」

「いや、アヤメさん。俺は竜人がどうのではなくて……」


レイカさんが失笑している。


「我々は巡回任務中です。無駄話……」

そこまで話をした時に他隊の緊急事態の笛の音が聞こえた。

うぅ、胃の腑が痛い。

モテ期。

女性パーティーに男一人。

ハーレムパーティーで行く先々でもモテて……。

を、デグの実の祖父はやり、非公認含め50人から子供がいます。


私の黒歴史がまた1ページ。



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